6月22日(2022年)23時から3夜連続で放送された「脚本芸人」(フジテレビ系)は、コント職人と言われる芸人たちが、テレビ局を舞台に描くオムニバスドラマで、全3話の物語は、1話から2話、3話と連動。それぞれ吉住、水川かたまり(空気階段)、岩崎う大(かもめんたる)が担当した。
思わぬラスト
結論から言うと、吉住が手掛けた第1話は面白かったのだが、そこがピークで、第2話、第3話と失速した感も。第1夜だけでよかったのでは、というくらい。ひとりコントでも独特の空気を醸す吉住だが、その吉住ワールドをちゃんと脚本に落とし込み、ゾワリとする物語に昇華させていた。
その第1話はというと、趣里演じる駆け出しの女優と藤木直人演じるテレビ局の警備員の物語。何度通っていても警備員に名前を訊かれてしまう女優が、警備員に猛抗議。ところが律儀な警備員は一向に譲らず、「で、お名前は」と訊いてくるという、よくあるコントの一場面のようなところから始まり、コメディかなと思っていたら、徐々に色合いが変わって、思わぬラストに驚かされた。
主役の趣里もよかったし、受けの演技に徹した藤木直人もいい。藤木を起用したことで警備員さんと恋に落ちるのか? と勘違いしそうになったところも含めて、楽しませてもらった。
第2話の遠藤憲一&知念侑李も、第3話の酒井若菜&佐久間由衣も俳優陣の熱演は悪くなかったが、いかんせん脚本が......。
吉住に脚本の才能があるというのがわかっただけでもよしとしよう。吉住はいずれ女バカリズムになると断言しておく。
(くろうさぎ)