連日の猛暑。岩田絵里奈アナが手にトマトを載せて「暑さの影響がこんなところにも出ています。こちらのトマト、ヘタの周りが黄色くなっているんです。これは暑さで果実の表面が高温になりすぎたため、赤く着色しないといいます。この現象は『高温障害』と言いますが、黄色くても味には問題はないそうです。農家の現状を取材しました」と切り出した。30日(2022年6月)の「スッキリ」。
「ボケナス」と呼ばれるB品に、の例も
6月29日、38.4度を記録した茨城・古河市の「鈴木農園」ではトウモロコシが収穫の最盛期を迎えている。例年だと1日200キロを収穫するというが、今年は水分不足が原因でトウモロコシの先の部分まで実が詰まっていない『B品』が全体の2~3割に当たるという。同園の鈴木弘晃氏は「半額以下でしか売れず、100万円くらいの損になる。適温が30度というキャベツにも影響があり、強い日差しを直接浴びたため、葉の先っぽが茶色く変色してしまったという。またナスもツヤがなくなり、業界で「ボケナス」と呼ばれるB品となってしまったそうだ。
千葉・印西市のトマト農家も悲鳴を上げる。「トマトにシワが寄ってしまっている。これは温度が暑すぎて、トマトが煮えてしまっているから」と言う。例年であればこの時期はまだ梅雨で、ハウスの温度は約30度。しかし今年は45度ほどまで上昇。そのため全体の6~7割が煮えて柔らかくなってしまったという。
これだけの影響を受けていれば、野菜の値上がりも大変かと思うと、練馬区のスーパー「アキダイ」では、キュウリ、トマト、ピーマン、オクラなどは例年より2~3割値段が下がっているというから驚きだ。実際に例年なら1本150円のトウモロコシが100円、1袋238円のナスが158円、158円のキャベツは100円で販売されている。秋葉弘道社長は「梅雨が短くなって、真夏の商品が一気に出荷されたから」と説明する。しかし「今は安いが、まもなく値上がりするはずだ」と話していた。
酪農家にも被害
農家だけでなく、酪農家にも被害が及んでいる。39.1度を記録した埼玉・熊谷市の「i‐Milk Factory」では牛舎の温度を30度以下にするため、大型扇風機を40台回し、ミストをまいて温度を下げる工夫をしている。また牛舎の屋根にも水をまくという。それでも暑さで牛にダメージがあり、「食欲が1割ぐらい落ちている。体力が落ちていても、牛は乳を出してさらに体力を使うので痩せてしまう」という。扇風機を回す電気代や、暑さで傷みやすくなったエサ代も負担になっているという。
司会の加藤浩次は「なるほどね。農家、酪農家は大変ですね」とコメント。
ジャーナリストのモーリー・ロバートソンは「燃料費も上がっているので農家の収支は圧迫されている。食料安保は国単位ではなく、もう地球レベルで考えなくてはいけない」と指摘。
森圭介アナは「この暑さで東京・八王子ではパッションフルーツが特産品になっているそうです。また愛媛のミカン農家ではアボカドを栽培しているそうです」と紹介。
経営コンサルタントの坂口孝則は「ピンチをチャンスに変える、ですね。B品という話がありましたが、これは生産者側が自主規制してやっていることなので、この基準を緩めてもっとB品を出荷していくべきかもしれません。フードロスを減らすためにもそうすべき」と指摘した。
(バルバス)