30日(2022年6月)の「スッキリ」にスペシャルコメンテーターとして宇宙飛行士の野口聡一さんが出演した。この6月1日付で、後進に道を譲るためJAXA(宇宙航空研究開発機構)を退職したばかりの野口さんは、世界で初めて3種類の異なる宇宙帰還(滑走路、大地、海面)を達成した宇宙飛行士としてギネスにも登録されている宇宙のレジェンド。これまで3度の宇宙飛行を経験し、宇宙滞在時間は344日9時間34分。その野口さんが、これまで食べた宇宙食の中からベスト3を選んで、番組で発表した。
「おいしい!」
岩田絵里奈アナは「宇宙食とは国際宇宙ステーション(ISS)での長期滞在などで宇宙滞在を行う宇宙飛行士に提供される食品で、栄養の確保、高度な衛生性、微小重力環境で飛び散らない工夫がなされ、長期保存ができるものを意味します」と説明したうえで、いよいよ発表へ。そこに映画「2001年宇宙の旅」のテーマソングが流れると、加藤は興奮し始め「すごいね、キューブリックって。今になってもこの音楽が使われるってね」とコメント。
まずは第3位は「サバしょうゆ味付け缶詰」。スタジオには野口さんが宇宙で食べたものと同じものが用意された。野口さんは「昔からある缶詰タイプの宇宙食で、味がすごくよくなっているし、汁が飛び散らない工夫がされているんです」と説明。加藤が「宇宙食も進化しているのか」と聞くと、野口さんは「そうなんです。宇宙食は今、300種類くらいあるんですけど、宇宙に長くいると楽しみって地球を眺めるか食事かとなってくるんです」と答える。
いざ実食。缶の蓋を開けても飛び散らないのは、調味液に粘性を与えているからだという。野口さんは「この缶詰は福井県の若狭高校の高校生が12年間かけて考えてくれたものなんですけど、すばらしい出来ですね」と解説。
実食した加藤が思わず「おいしい!」というと、岩田アナも「おいしいですね!」とビックリしながら「宇宙空間では味覚が鈍くなるのでちょっと濃い目の味付けになっているとのことです」と説明。
「なんで宇宙空間だと味覚が鈍るんですか?」
加藤が「なんで宇宙空間だと味覚が鈍るんですか?」と聞くと、野口さんは「いい質問ですね。無重力で血液が頭のほうに行くと、鼻が詰まったような風邪を引いた感じになるんです。すると味がわかりにくくなるんですね」と説明。
そして第2位は「カレーマルシェ・スペシャリテ」のイベリコ豚とマッシュルームのカレー。フランス料理の名店「シェ・イノ」が開発したものだ。野口さんは「カレーはどの国の人も大好きなので、持っていきたいとリクエストして作っていただいた。宇宙ではカレーをご飯にかけて食べることはできないので、ご飯とカレーの袋を2つ持って、スプーンで交互に食べています」と説明した。
そして第1位は「リポビタンジェリーfor space」。瓶では割れる危険があり、またゴミにもなるので、パウチタイプにしたものだという。野口さんは「パッケージにマジックテープがついていて、壁に貼り付けておける。ゴミも少なくて済み、ゼリー飲料は宇宙にピッタリなんです」と説明。
実食した加藤は「おいしい。リポビタンDの味だ!」と大喜びして「宇宙食もこれだけ進化していたら、食生活もそんなに不満はないですか?」と野口さんに質問。
野口さんは「だいぶ種類は増えてきましたが、不満はいずれにしてもあるんです」と正直にコメントすると、スタジオは大爆笑した。
野口さんは後半のコーナーで、宇宙から見た絶景ベスト3も発表。3位はカリブ海のサンゴ礁、2位は富士山、そして1位はたまたまISSの電源が落ちた時に見られた天の川だという。
(バルバス)