2年半に及ぶコロナ禍は私たちの日常を変え、今までの「当たり前」が見直されてきました。
テレワークが広がる中、NTTが3万人の社員を対象に、7月(2022年)から原則自宅勤務にするというニュースは、改めて「ここまで来たか」と思わせました。会社に行くのが「出張」となる逆転の発想で、NTTはその方がメリットは大きいと判断したのでしょう。
「原則自宅勤務」の大企業も登場
(J-CAST)ワイドショー通信簿の「原則自宅勤務・出社は『出張扱い』 山口真由『NTTが偉いのは...』と『壮大な実験』を評価」(6月20日、テレビ朝日系「モーニングショー」)は、導入する制度と街の声などを紹介しています。
「自由に時間が使える」といったメリットの一方、「雑談からアイデアとか情報交換の機会が失われる」とデメリットを語る人もいたようです。コメンテーターの山口真由さん(信州大学特任教授)は「新しい価値を発信するという壮大な実験をしようとしている」とあり、NTTの取り組みを評価しています。
「NTT『出社は出張』に街の声 『新人はどう社会性を学ぶ?』『事務系はいいですね』」(20日、TBS系「THE TIME,」)も、働く世代の反応を取り上げていました。
「新人さんはどう社会性を学ぶのでしょうか」という50代女性や、「対面でこそよい仕事や成果が生まれると思います」という30代男性。人と人とが、パソコン画面ではなく直接会って話すことにこだわる声が印象的でした。
人との付き合い方の変化を取り上げていたのが、「『コロナだから』と断る...が使えなくなる! ロバート・キャンベル『義務的な付き合いを整理する機会なのでは』」(21日、日テレ系「スッキリ」)でした。
コロナを理由にして、気の進まない飲み会や夫の実家への帰省、ママ友のランチ会などを断ってきたのに、日常が戻りつつある中、口実に使えなくなるという「あるある」な話題です。
これにロバート・キャンベルさん(日本文学研究者)が「義務的な付き合いを整理する機会なのではないか」と提案しましたが、司会の加藤浩次さんは「無駄な飲み会が意外に大事でそこから生まれるものもある」と言った、とあります。
これらのやり取りを読んで、心理学者アドラーの「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」という言葉を思い出しました(「嫌われる勇気」岸見一郎・古賀史健=ダイヤモンド社)。付き合い方を見直し、より良い方向にもっていく「勇気」も必要のようです。
(コムギ)