辻岡義堂アナが「バストアップ施術満足度第1位」「ボディ痩身施術満足度第1位」のマークを示して「こういった広告をよくご覧になると思います」と言うと、司会の加藤浩次が「見る!」と割って入る。辻岡アナが続けて「消費者庁によりますと、この『第1位』に根拠がなく、この広告を用いていたPMKメディカルラボに措置命令を出していました」と言うと、加藤は「あらあら...。だと思っていたよ」と再び割り込んだ。17日(2022年6月)の「スッキリ」。
「PMKメディカルラボ」は運営するエステサロンの広告で「施術満足度No.1」と表示していたが、消費者庁の調べによると同社は広告代理店に金を支払って「施術満足度No.1」と表示するためのアンケートを依頼し、400人に聞いた結果2位だったものを、広告を請け負った代理店が対象を280人にして1位になるように操作していた。さらに、回答した280人のうち200人が男性で、実際に施術を受けた人ではなかったことも判明した。
「1位になるまで続ける」企業も
景品表示法に詳しい木村智博弁護士は「施術満足度1位とあれば、施術を受けた人の評価と読み取るのが普通。しかし実際はイメージ調査しかしていなかった。これは間違いなくまずいこと」と解説。
なぜこのような「№1広告」が多いのか。多摩大学大学院の河野龍太教授は、「広告が効きにくい時代という背景があると思われる。人は第三者の評価のほうをむしろ信頼する傾向がある」と分析した。
こうした調査を手掛ける企業によると、自社が№1になるような調査を依頼されることが多いという。なかには成果報酬つきで、項目は何でもいいから№1にこだわる企業がここ数年増えているという。そのため、1回目の調査で1位を取れないと、調査対象を変えて2度目の調査を行い、1位になるまで続けるというやり方をしている企業もあるという。
加藤は「とにかくあちこちに、いろんな№1がある。なんなのかっていう話ですよね」と言ったうえで「前田さんの会社でもこういうことするんですか?」とスタジオのSHOWROOM代表・前田裕二に問いかける。
前田は苦笑して「僕は効果がないと思っている。当事者が言う№1は、本人を経由している以上、すでに第三者の評価じゃないですよね。僕は自分でアナウンスしている№1には価値はないと思っています」ときっぱり否定。
木村弁護士は「今、こうした№1広告は流行りの広告になっていて、広告効果よりもほかに出遅れないようにやっている企業が多い。なのでこの流れはまだ続くのではないか」と言う。
フリーアナウンサーの近藤サトは「1位ばかりで2位がいないのも不思議」と笑い、「こうした広告は客観的なものではなく、恣意的なものだと思うべき」と指摘。
読売新聞特別編集員の橋本五郎は「調査方法と調査対象などをはっきりさせないと客観的な調査とはいえない。他にもこうしたグレーな№1広告はあるはずで、1位というものは気をつけろということになりかねない」とコメント。
加藤は「むしろ『3番』って書いてあるほうが信ぴょう性があったりする」と言うと、スタジオは爆笑に包まれた。
(バルバス)