辻岡義堂アナが「焼肉チェーン店の運営会社・韓流村が、不当な評価をされたとして食べログ側を訴えていた裁判の判決が6月16日(2022年)に出ました。異例ともいえる判決のカギとなったのは独占禁止法でした」と「スッキリ」で17日に紹介したニュース。東京地裁は、食べログが星評価を下げるアルゴリズムを変更したことが独占禁止法に違反するとして、3840万円の賠償を命じた。
「独占禁止法に違反」の判決
食べログは掲載店舗数82万店、月間に約8700万人が利用する口コミグルメサイト。多くの人が食べログの評価点を参考にして店選びをしており、大きな影響力を持つサイト。
韓流村では食べログの評価を記録しており、2019年に口コミ投稿の変化がないのに、3.5以上あった評価点がチェーン店であるという理由で3.2~3.0に下げられていた。同チェーンでは来客の6~7割が食べログを利用しており、評価が下がったことで、運営28店舗で売り上げが約2億円落ちたという。
東京地裁は「食べログ側が不利益な要請を行っても、店側は受け入れざるを得ない」と指摘したうえで「アルゴリズムの一方的な変更は優越的地位の濫用に当たり、独占禁止法に違反する」とした。食べログ側は、判決は不当と控訴している。
独禁法に詳しい平山賢太郎弁護士は「ビックリしました。独占禁止法が食べログに使えるということ、そして裁判に勝てるんだということがはっきりしたことは、とてもインパクトのあることだったと思います」と話す。
加藤浩次「点が高いから美味しいというわけじゃない」
判決のポイントは2つ。1つは独占禁止法違反が適用されたことで、もう1つは店の評価を下げるアルゴリズム変更への評価。
平山弁護士は「今、レストランにとっては食べログに登録することは欠かせない営業戦略になっている。したがって、食べログはレストランに対して優越的地位にあると思う」と言う。
読売新聞特別編集員の橋本五郎は「店にとって評価点は死活問題ですよね。となるとその評価点の算出方法が公正・公平で納得できるものであるかが大事になる」とコメント。
司会の加藤浩次は「アルゴリズムを公表すると悪用される恐れが出てくる。でも店側としては公表してもらわないと納得できないこともある。食べログはホームページでも大雑把な評価のやり方は公表していますが、詳しく公表すると悪用されるので公表できない。これはすごく難しい問題ですね」と話す。
SHOWROOM代表の前田裕二は「もしこれが公平な変更だったとすると、他にもたくさんあるレビューサイトへの影響が出てくる可能性がある」と指摘。
加藤が「世の中のものはほとんどに点数がついていますよね。これをどう考えるかと言うことですね」と言うと、前田は「ほかのチェーン店も同じような訴えができますか?」と平山弁護士に質問。平山弁護士は「今回の裁判所の判決は、独禁法が使えるんだということをレストランに伝えるという大きな意味があったと思います。今後、他のレストランも訴えを起こしてみようかなというトレンドが広がる可能性があります」と指摘した。
加藤が驚いた顔で「でも評価点は答えではないですよね。点が高いから美味しいというわけじゃない」と言うと、橋本も「評価は参考なんです。私は見たこともないし、自分で行って判断している。でも多くの人は、最初に行くときにサイトの点を参考にしている。なので、レビューサイトは恣意的ではないと思われるような努力をしなければいけません」とコメントした。
(バルバス)