「きのう13日(2022年6月)、円相場は一時1ドル=135円台まで下落しました。わずか3カ月で20円もの円安。135円台は1998年10月以来の約24年ぶりです」と14日の「モーニングショー」の「ショーアップ」コーナーで板倉朋希アナが伝えた。
この「歴史的円安水準」について、きのうの参院決算委員会で鈴木財務大臣は「円安にはプラスの面とマイナスの面、両方があると思います。今は賃金上昇の力が弱いと、ややマイナス面が出ているのではないかと思っています」と述べ、日銀の黒田総裁は「こうした中で賃金の上昇を実現するためには、金融緩和を粘り強く続けることで経済をしっかりサポートしていく」と語り、これまで同様に「金融緩和を粘り強く続ける」と改めて強調した。
「三本の矢」と産業競争力
「こうした中、世界の主要国は今週にも相次いで利上げを実施するとみられています」と板倉が説明する。「アメリカは14、15日の会合で先月に続き0.5%の大幅利上げに踏み切る見通し。イギリスも16日に5回目の利上げに踏み切る可能性があります。主要国と日本の金利差がさらに広がれば、円安が一段と進む可能性があるということです」
多摩大学特別招聘教授の真壁昭夫氏は「今後円安はさらに進み、向こう3カ月まで考えると140円近くにまで下落する可能性がある。(円安の原因の一つに)日本経済の地盤沈下がある。1980年代と異なり、自動車以外は世界市場で競争力が低い、日本製品の競争力が落ちているので、日本の物が売れなくなっている」と話す。
玉川徹(テレビ朝日)「黒団総裁は安倍総理と一緒になって二人三脚でアベノミクスを進めてきた人です。アベノミクスには三本の矢と言われていました。一本目は大胆な金融緩和、二本目が財政出動、三本目はこの二本の矢で稼ぐ力を付けましょうということでしたが、三本目の矢は飛ばなかった。その結果、産業競争力が上がらなかった。僕はアベノミクスをもう一度、再検証する必要があるのではないかと思っています」
(一ツ石)