タワマン火災の死角 「避難あきらめた」人もいた理由

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   東京・品川区の44階建てタワーマンションで13日(2022年6月)早朝に火災があり、400人近くが避難した。18階のベランダにあった電子レンジなどが焦げる程度だったが、現場より上階の住民は非常階段を降り、高齢者の中には避難をあきらめる人もいた。タワマン火災のリスクを14日の「めざまし8」が検証した。

   現場は山手線の五反田駅と大崎駅の中間あたりで、五反田駅から徒歩数分の場所。18階部分のベランダ周辺は、黒くすすけていた。1階には、スーパーやクリニックが入っている。地元の不動産会社は、1LDKから3LDKで、家賃は20万円から高いところだと、40~50万円。買うと、1億23000万円平均で、周辺ではもっとも高級な物件だという。

  • 大切な「火の用心」
    大切な「火の用心」
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「めざまし8」が伝えた住民の声

   発生は13日午前5時ころ。マンション近くの広場に避難した住人は「あまり経験しないから怖いですね」。「もう少し煙が出ていたら、避難ルートがなかった」。マンションには約700世帯が住み、400人近くが避難した。1時間半ほどで鎮火したが、火元の部屋に住む30代の女性など男女4人が煙を吸うなどして病院に運ばれた。

   避難はスムーズにいったのか? 39階の住人は、「自動のアラームが鳴り響いて、目が覚めた。エレベーターは動いてなかった。火事のあった階のひとつ下の17階まで階段で降りて、そこからエレベーターで降りた。階段で降りるにつれて匂いがしてきたので、これは怖いな、と」。30階に住む70代の女性は、「今まで景色がいいなと思っていましたけど、年寄りには高層階はきついなと初めて思いました」。

   高層階に住む、高齢者の中には火事だと知りながら、避難しなかった人もいた。39階に住む人は、「廊下にまで煙の臭いが来ていましたが、年をとっているし、犬も飼っているので、避難をあきらめました」。24階に住む人は、「一応避難しました。階段に密集するとかえって危ないなと思いましたが、そこまで避難している人はいませんでした」。

   避難呼びかけから数分で「大丈夫」とのアナウンスがあったため、避難しなかった人も多かったようだ。警視庁によると、出火したベランダでは、エアコンの室外機2台と、この間にあったコンセントにつながれていない電子レンジと折り畳みの自転車が焼けたという。東京消防庁によると、2020年に高さ10階以上の高層マンションで起きた火災は195件。うち61件で11階以上から出火した。原因は、ガステーブルなど62件、放火22件のほかタバコ14件、電気ストーブ13件となっている。対策としては、スプリンクラーの設置や非常用エレベーターの設置、排煙設備が整った特別避難階段の設置が義務付けられている。

(栄)

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