「氷山の一角」指摘も
5歳の子供がいるシングルマザーは「投資家だという知人から突然連絡があった。持続化給付金の100万円もらえるよと言われたので、『私は会社員だからもらえないよ』と答えると、会社員でももらえると言われました。離婚して子供がまだ2歳でお金に困ってました。詳しい話を聞くと、100万円を受け取ったら10万円を手数料で取られて、90万円はこちらで一度預かり、1年後くらいに支払う。もし警察に捕まるようなことがあってもこちらのことは話さないでくれと言われ断った」と証言。
高校の同級生からSNSで連絡を受け、勧誘されたという20代の男性は「一昨年の春ごろうまい話があるよと誘われたが無視をしていた。しかし何度も電話が掛かってきて仕方なく話を聞くと、弁護士と半グレみたいな人に75万、25万円受け取れるという。絶対に犯罪だと思って断りました。片っ端から電話を掛けているみたいで、3人がすでに受給していると言っていました」と話した。
元経産官僚の石川氏は「逮捕された事案は『氷山の一角』」としながらも「不正があったかどうかをチェック体制に壁がある」と指摘。「確定申告書類は国税庁なので財務省、預貯金は金融庁、身分証明書は警察庁、住民票は総務省。中小企業庁がこれらの役所を相手に不正の調査を頼むのは至難の業」(石川氏)と言う。
マイナンバーカードを使えばこれらに横串を指すことができるが、普及率は44%でなかなか一貫性は難しいのが現状だ。
司会の加藤浩次は「44%というが2年前はもっと普及率は低かった。困っている人のために性善説で早く配ろうとしたもので、こうした不正があることは予測されていた」と話す。
読売新聞特別編集委員の橋本五郎は「困って溺れている人をまず助けるということが先でやったのは間違っていません。そのあとに清算をさせ、不正は摘発する。現に不正は摘発されつつある。問題はなぜ不正ができたかをはっきりさせてできなくさせることが大切」と解説。
加藤が「名前を貸しただけという人も罪に問われるべきでしょう?」と問うと、橋本は「当然です。共犯になります。被害者みたいに報道するのはよくないです」と断言。
加藤は「ドバイに逃げているという主犯がどういう人物かということのほうが大事ですね。絶対に捕まると思います」と強い語調で話した。
(バルバス)