誤送金問題「業者が3500万円返還」の不思議 教授、弁護士、カジノ識者、元警部補の見立ては?(スッキリ)

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   山口県阿武町で新型コロナ対策臨時給付金4360万円が誤って振り込まれた問題で、自分の口座に入金された田口翔容疑者(24)は4630万円をネットカジノに使い切ったと話していたが、出金していた決済代行会社の1社から約3500万円が町の口座に返還されたことがわかった。なぜ、返還されたのか、舞台裏にはなにがあったのか。24日(2022年5月)の「スッキリ」は4人の専門家に聞いた。

   田口容疑者の代理人弁護士によると、誤入金があった4月から海外のネットカジノと取引のあるとみられる決済代行会社の3社に出金していた。町は全額返還を求めて提訴していたが、「お金は所持していないので返還は難しい」などといっていた。

  • 多額の公金の行方に注目が集まっている(写真はイメージ)
    多額の公金の行方に注目が集まっている(写真はイメージ)
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阿武町は会見予定

   田口容疑者の指示で返還されたのか。情報セキュリティーに詳しい神戸大学大学院の森井昌克教授は、「最初に思ったのは、やはり、(お金を)を使っていなかったということです。お金がどこに行ったのか、わからないようにするため。まさにマネーロンダリングの一種。カジノに使わずプールしていた可能性もある」とみる。

   菊地幸夫弁護士は、「警察の捜査でA社に金が残っていると判明したのでは。賭博はそんなに行われていなくて、3つある会社の1社に残っていたと考えるのが自然ではないか。どうやってお金を町に戻すかということで、被疑者が決済代行業者から町に直接戻すことを同意して、その指示を決済代行業者に伝えたと」

   別のシナリオもある。決済代行業者の判断で金を返還した可能性だ。国際カジノ研究所の木曽崇さんは、「私はそれを疑っています。これ以上捜査が進んだ時に自分の身が危ない。これで返還すれば、その業者に限ってもう問題は解消されたという扱いになりますので、まずは返還したのかな、と想像しています」

   サイバー犯罪捜査をしてきた元千葉県警警部補の森雅人さんも、「不法な形で入手したと知りながらお金を収受したとなると、決済代行業者も罪に問われる恐れがあるので、業者の判断で返金したということも可能性としてはあると思います」

   司会の加藤浩次「あと、共犯者がいるかどうか」

   専門家も単独犯の見方は否定的だった。阿武町はきょう24日、記者会見する予定だ。

(一ツ石)

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