山口県阿武町が誤って送金4630万円のうち3590万円が戻ってきた、というニュースが23日(2022年5月)に飛び交った。逮捕された田口翔容疑者(24)は今まで「海外のカジノサイトで全部使った」と言っていたのに、なぜなのか。きょう24日のモーニングショーは、ITジャーナリストの三上洋氏を招き、ニュースを深掘りした。
田口容疑者は、銀行から3つの決済代行業者にお金を送金していた。そのうち、もっとも送金額の大きかったA社から全額の3590万円が町の口座に返還されたというのだ。
羽鳥慎一「ちょっとまだまだ謎の部分が多くあるのではないかと」
なぜ返還できたのか、三上氏は2つの可能性を示した。一つ目は、ネットカジノで勝っていて金が残っていたこと。二つ目は、最初からマネーロンダリングが目的でカジノに使わずに残していたのではないか、という。
「ほんとビックリで、どこからどうしたら返金になるのかよく分かっていないが、どちらかというと、使っていたと言っていたが実際にはそのままプールしていた可能性が考えられる」と三上氏。「入れ知恵をしたひと、もしくは協力者がいてもおかしくはないですね」
さらに、もうひとつ、「本当に(ギャンブルに負けて)使い切ってしまったが、決済代行業者がこれはまずい、と摘発を逃れるために自主的に補填していれたんじゃないという説も一部であります」という。
弁護士の若狭勝氏は、この自主返納説だ。若狭氏によると、警察から照会された決済代行業者が弁護士に相談し、「犯罪で得たお金と知りながら金を保持し続けると『盗品等関与罪』に問われる可能性がある」とアドバイスされ、自主的に返還したと推測する。
いま田口容疑者は電子計算機使用詐欺罪に問われているが、もし嘘をついてお金を隠していたとすれば「犯罪収益等隠匿罪」が加わることになる。ただ、金が返還されたので、裁判でも執行猶予となる可能性もあるという。
裁判への影響について、コメンテーターの菊間千乃弁護士「う~ん、難しいですね。たらればの話なのでまだ何が正しいのか分からない。一番最初は町が誤振り込みをして、自分の所にお金が入ってきたことから始まる。自ら奪って何かをやったこととは違うので、罪の重さも変わってくるのかなと思います」
玉川徹「誤送金があったと分かった後で、犯罪になると分かっていながら全部ギャンブルで使ってしまおうとするだろうかとそもそも疑問だった。全部ギャンブルで使ったというのは、あまりに破天荒で破滅主義。後で使おうと思っていたのかなと、また思えてきます」
どんな経緯だったのか、阿武町の町長が24日にも会見して説明するというが、MCの羽鳥慎一は「ちょっとまだまだ謎の部分が多くあるのではないかと思います」。
(コムギ)