司会の羽鳥慎一が「人生100年時代といわれる中、80歳を前にして寝たきり、要介護になる人が多く『80歳の壁』といわれています」として、著書「80歳の壁」が20万部を超える売り上げでベストセラー街道邁進中のスタジオゲスト、精神科医の和田秀樹氏を紹介した。和田医師はこれまで6000人の高齢者を診察してきた。
日本の平均寿命は大きく延びた。1947年には男性50.06歳、女性53.96歳だったが、2020年にはそれが男性81.64歳、女性87.74歳になった。しかし、その一方、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間を示す「健康寿命」は、男性で72.68歳、女性で75.38歳。つまり、男性で約9年、女性で約12年、介護や寝たきりの状態になるということだ。
玉川徹「僕も健康寿命72歳まであと14年しかない」
和田医師は「80歳を境に元気な人と要介護の人の違いが出る。幸せな高齢者=幸齢者になるために、50~70代のうちに対策をしておくべきだと思っています」と話す。
バイオリニストの廣津留すみれは「他人事とは思えない。私は人生終えるまでバイオリンを弾いていたいので、健康寿命=寿命となるのがベスト」とコメント。
テレビ朝日の玉川徹は「作家の田原総一朗さんも『朝ナマ』で死にたいと言っていたが、僕もモーニングショーで死にたいくらい。僕も健康寿命72歳まであと14年しかない。寝たきりの9年は絶対避けたい」と話した。
羽鳥は各年代でできる対策を、パネルを使って説明した。まず50代。和田医師は50代は前頭葉の萎縮が始まる年代だとして、「萎縮を遅らせるためにルーティンを避ける生活」を推奨する。たとえば同じ道順で歩き、同じ店に行き、同じような本を読むことは避ける。
これを聞いた50代の玉川が「僕はもうすぐ定年。定年したら新しいことをやりたい」と言うと、和田医師は「玉川さんは老化しないですよ」と笑いながら言った。
続いて60代は、喪失するものが多く、意欲が失われやすい世代。和田医師は「仕事を失ったり、親を失ったりしがちな世代で、意欲を失うと面倒くさくなり、外出もしなくなる。定年後にも働いたりするなどして、意欲を保つべき」と指摘。
70代は「一気に衰えやすいこの年代は肉食が大事」という。和田医師は「コレステロールを心配する人が多いが、日本は米国と比べて心筋症の割合は低く、がんが多い。コレステロール値が高いほどがんになりにくいという研究もある。良質なたんぱく質にはセロトニンの量を増やすメリットもある。意欲や筋力を保つために肉を食べて運動してほしい」と言う。
玉川が50代60代も肉を食べるべきなのかと問うと、和田医師は「動脈硬化を避けるために肉を控える意味はあるが、米国人と比べると圧倒的に肉を食べる量は少ないので、肉食を増やす余地はあると思う。メリットとしては男性ホルモンはコレステロールが材料になっており、男性も女性も男性ホルモンが増えると、筋肉がつき人付き合いもよくなる。更年期を終えた女性がアクティブになるのは男性ホルモンが増えるからです」と回答した。
(バルバス)