西田敏行の怪演 後白河法皇の「大天狗」ぶりに歯ぎしり 【鎌倉殿の13人】

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   NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」5月15日(2022年)放送回。鎌倉入りを許されず京で悲嘆にくれる義経(菅田将暉)。義時(小栗旬)は大江広元(栗原英雄)の知恵を借り、源頼朝(大泉洋)と義経との関係修復を模索するが、後白河法皇(西田敏行)はそれを許さない。

   「鎌倉殿も九郎どのに会いたいんです。膝をつきあわせて話せば、わだかまりも消えます」と何とか義経を頼朝に会わせようと奔走する義時。義経の「義時の言葉」を信じようとする悲しげな表情にもはや悲哀を感じてしまった。この人本当に戦場でなければ生きていけないかもしれない。

  • NHKの「鎌倉殿の13人」番組サイトより
    NHKの「鎌倉殿の13人」番組サイトより
  • NHKの「鎌倉殿の13人」番組サイトより

頼朝と義経の仲が...

   そして、いよいよ頼朝に会いにいくと決意し、後白河法皇に許しをもらいに行く義経。するとすんなり「頼朝によろしく」と許す態度。ところがその直後になぜか突然めまいで倒れる。西田敏行さんがうますぎて、ちゃんと仮病とわかる演技でまさに怪演であった。ツイッターなどにも「後白河法皇は法王っていうか天狗っていうかもう大魔王」「後白河法王の大天狗っぷりがもう怖いよーーーー」といった反応が寄せられていた。

   後白河法皇の腹黒さが浮き彫りになる一方で、頼朝の立場と本当の気持ち、義経の一途な姿と騙される幼さ、そして義時たち周辺のやるせなさが交差してかみ合わない。視聴者としては「全部法皇のせい」と言いたいところだったが「全部義経のせい」という後白河大ダヌキ。どこまで続くのだろう。はやく誰か成敗してほしいが。

   頼朝と義経は、互いに認め合っていたに違いないし、兄弟として愛があった。それにも関わらず、後白河法皇を筆頭に、自分の保身のためには人を売るような梶原景時もいるし、死神と呼ばれた源行家(杉本哲太)の妨害によって、兄弟2人は引き裂かれて、あれよあれよという間に2人の間に取り返しのつかない深い溝ができてしまった。歴史上に残る悲劇である。

   その悲劇も残念ながら血縁の惨劇になっていくのだろう。現世に残る義経像がつくられた舞台へと続く。

(Y・U)

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