ロシア軍の士気低下と命令系統 識者が指摘した「ハチャメチャ」な状況 (モーニングショー)

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   「ウクライナの第2の都市・ハルキウからロシア軍が完全撤退を決断したと、アメリカのシンクタンクが公表しました。ウクライナはハルキウの戦いに勝利したと見られています」と司会の羽鳥慎一。16日(2022年5月)の「モーニングショー」はウクライナでの戦況の新情報を伝えた。

   羽鳥「ここにきて、ハルキウ、そしてドネツ川とウクライナ軍が次々と勝利していますが、このタイミングでこの勝利ということは、どういうことが考えられるのでしょうか」

  • ロシア軍の内情は?
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前防衛省統合幕僚長の河野克俊氏が解説

   前防衛省統合幕僚長の河野克俊氏「ここにきて、士気の差が出てきた。ロシア軍では脱走兵も出ていると聞きますから。短期決戦であればロシア軍はやれたと思うが、長期化に伴ってロシア軍の士気は日に日に低下していっている」

   番組は、「ロシア軍は精密誘導兵器の多くを使い果たしている。これにより老朽化し精度が低い兵器を使用せざるを得ない」というイギリス国防省の分析も紹介。河野氏はこれについて、「ロシアは今、経済制裁を相当食らっていますから、軍需産業もあまり回転していないのだと思う。負のスパイラルで損害が大きくなっている」と補足した。

   山口真由(信州大学特任教授)は「ロシアが効率的に指揮命令系統を動かしていないのではないかという疑問は常々出されていますが、ロシア軍の中で一体何が起きているのでしょうか」と疑問を口にした。

   河野氏は「これはロシア自体が持っている国家システムの矛盾なんです。おそらく、FSB(ロシア連邦保安庁 )がウクライナに入っていますが、ただ、(軍にも)ドボルニコフという総司令官も遅ればせながら任命した。どちらかというとFSBが主導権を握っていると思いますが、私は当初からゲラシモフをトップとするロシア参謀本部が作戦をちゃんと練っているのかということについても疑問に思っています」とロシア側の混乱を説明。

   河野氏「ビジネスの世界でもそうだと思いますが、戦争・軍隊で絶対にやってはいけない3つというのがある。まず『目的が不明確』。それから『兵力の逐次投入』。そして『根拠なき楽観主義』。プーチンの頭には目的があるのかもしれないが、ロシア軍、ゲラシモフでさえ、今回の戦争目的がはっきりとつかめていないのだと思う。なので、ロシア軍の最前線に至っては、『あっち行け』『こっち行け』とハチャメチャになっている」

(ピノコ)

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