司会の羽鳥慎一がパネルを使ってニュースを取り上げるコーナーは値上げの話。羽鳥は13日(2022年5月)、「回転ずしのスシローが10月からの値上げを発表しました。1皿100円のメニューがなくなることになります」と切り出した。
「年間8万円以上の負担増」指摘も
このニュースで「スシロー」はトレンド入り。スシローでもこの値上げを「断腸の思い」と話す。背景には、円安と食材の高騰があるという。スシローは、1984年の創業以来、最低価格1皿100円を続けてきたが、これが38年間で初の値上げとなる。ちなみに100円の皿は120円に、165円の皿が180円に、330円の皿は360円になる。
スシロー以外にも、餃子の王将では餃子が1皿264円(東日本)が286円に、ケンタッキーフライドチキンでは6月から700円のチキンフィレサンドが740円になる。また、日清食品、ヤマザキパンなどでも値上げが実施される。さらに食品以外にも、電気料金は25.8%、ガスが27.6%、ガソリンが14.3%など、家計の負担は増え続ける公算だ。経済評論家・加谷珪一氏の試算では平均して年間8万円以上の負担増となるという。加谷氏は「夏以降には、さらにウクライナ情勢の影響が加わり、値上げは本格化する」と指摘した。
スポーツキャスターの長嶋一茂が「物価は上がるのに給与が上がらないからいけない。物価が上がっても給与が上がれば利益は出せるのに、これでは逆のスパイラルだ」と指摘すると、加谷氏は「本来は利益を出して給与に還元すれば、それが消費をもたらす。これを30年間怠ったのでこうなっている」と話した。
テレビ朝日の玉川徹が「昔、小学生の頃はオイルショックで値上がりは当たり前と思っていた。それがここ何十年もデフレで、今の人は、物価は下がると思っている」とコメントすると、加谷氏は「70年代には価格に転嫁され、給与も上がった。企業は省エネに投資して輸出を増やした。イノベーションで対応しないと解決できないということ」と説明する。
NYの値上がりぶり
ここで羽鳥は「日本以上に値上がりが進んでいるのがアメリカです」と話題を転換。ニューヨークで暮らす23歳の男性は大学時代の友人2人とルームシェアして住んでいるが、去年の4月に30万円だった家賃が今年の2月から51万円になり、「ニューヨークを出るつもりだ」という。
テレビ朝日ニューヨーク支局長の中丸徹は「家賃は24%上昇した」として、自宅アパートも月31万円から48万円に値上がりしていると告白。部屋代だけではなく、肉・魚・卵は14.3%、中古車は22.7%、ガソリンは43.6%値上がりしていると伝えた。中丸支局長はスーパーマーケット内を紹介しながら、「500グラムのステーキ用牛肉は15ドルから24ドルになり、円安なので円換算すると1700円が3100円になっています。私も牛肉を食べることが減りました」と告白。卵は12個入りで300円台だったものが650円に、トイレットペーパー12ロールが1200円から2200円になっていると伝え、「トイレに行くのもためらってしまうほどです」と訴えた。
これには日本のスタジオ全員が「それはやめましょうよ」。
玉川が「中丸さんは日本円で給料をもらっているはずなので、円安はとても大変だと思う」と言うと、中丸支局長は「まさにそこです。よく言ってくれました。ドル換算すると給料は月々減っています」と応答。羽鳥が「日本に帰りたいのでは?」と聞くが、中丸支局長は「切り詰めて役目を果たしたい」と優等生の回答。
それでも米国の物価は想像以上に高く、日本で690円のビッグマックは米国では1500円、日本で900円の焼き魚定食は5000円、800円のラーメン&餃子も5000円(いずれもチップ込み)という。
中丸支局長は「在宅勤務を選ぶ人が増えているのは、昼食代を節約するためと言われている。私もお弁当です」と悲痛な叫び。
加谷氏は「米国はインフレ抑制のために、22年ぶりに0.5%の大幅な利上げを実施します。日米の金利差が拡大するので、ドル買い円売りは進み、1ドル150円になってもおかしくない」と指摘。
羽鳥が中丸支局長に「とにかく頑張ってください」と呼びかけると、中丸支局長は「1ドル150円にならないことを祈っています」と答えた。
(バルバス)