ロシア核使用の可能性と米国の「反撃」 玉川徹が指摘した「ものすごいリスク」

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   ウクライナ情勢について、司会の羽鳥慎一は「ゼレンスキー大統領がロシア軍に制圧されていたハルキウ州の一部の地域を奪還したと発表しました。戦闘が長期化してプーチン大統領が苦境に立たされた場合は核の使用も懸念されています。その場合、アメリカはどう反撃するのでしょうか」と12日(2022年5月)の放送で切り出した。

   10日にウクライナのハルキウでロシア軍の戦車が複数爆撃される映像とともに、5カ所の集落をロシアから奪還したとウクライナ側は発表した。南部ヘルソン州では親ロ派幹部がプーチン大統領にヘルソン州のロシアへの編入を要請すると表明し、その際には住民投票は必要なく、大統領令に署名するだけでよいとしているという。ウクライナ側はこれを非難している。

  • プーチン大統領の思惑は?(写真はロシア大統領府サイトより)
    プーチン大統領の思惑は?(写真はロシア大統領府サイトより)
  • プーチン大統領の思惑は?(写真はロシア大統領府サイトより)

識者が示した3つのシナリオ

   スタジオゲストの防衛研究所防衛政策研究室長・高橋杉雄氏は「順調に作戦が進んでいるヘルソン州で既成事実を作りたいということ。しかし住民の反発は強く、そうした捏造もできないのではないか」と指摘する。

   米国ヘインズ国家情報長官はプーチン大統領の考えについて「ロシアは敵国よりも困難に耐えている能力と意思を持っていると判断しており、プーチン大統領の野心と現場の戦況でミスマッチが起きている可能性が高い」と分析している。

   仮に追い込まれたプーチン大統領が核兵器の使用を決断した場合、アメリカはどう反応するのか。核兵器の使用について、ヘインズ長官は「プーチン大統領が核使用を許可するのは国家や体制存亡の危機を感じ取った場合のみだろう」と考えている。

   高橋氏は3つのシナリオを考えている。1つ目は、「核反撃は何らかの具体的な効果をもたらすものであることが前提」。高橋氏は「例えばロシアが無人地域に核攻撃をした場合、米国がロシアの無人地域に核反撃をするのは無意味」と言う。2つ目は「核で侵略という前例を作ると、核の抑止力が低下するので、その前例は作れない」。高橋氏は「核攻撃でウクライナに降伏させ、米国が何もしないことはない。核を使った側が勝てない形にするはず」と指摘。3つ目は「抑止力が破綻しないよう、抑止力の信頼性回復のための攻撃はある」。高橋氏は「反撃しないと核の抑止力がなくなる。核の第2波は核で阻止する」と言う。

   オバマ大統領時代に国家安全保障会議で、最初は通常兵器で攻撃するとしたが、トランプ時代には、ロシアが欧州の米軍施設に戦術核攻撃を行った場合、核による限定的報復を行うとされていた。高橋氏は「シナリオはシナリオに過ぎない。最後はバイデン大統領が判断するので、どうなるかはわからない。また、わからなくすることでロシア側を疑心暗鬼にさせるのも狙い」と言う。

   テレビ朝日の玉川徹は「ロシアが核を使ってくれば、それ以前と以後では違う世界になる。核があるというだけで、偶然が重なり核戦争が起きる可能性があるというのはものすごいリスクだ」とコメント。

   高橋氏は「核兵器は使うぞ、使うぞという状況では使われない。逆に使わないだろうと思われる状況で使われる逆説的なもの」と指摘した。

   羽鳥は真顔で「どうなっていくのでしょうか」とまとめた。

(バルバス)

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