今日9日(2022年5月)は、77回目のロシアの対ドイツ戦勝記念日。当初、プーチン大統領はこの日に勝利宣言を行うとも報じられていたが、目標となっているウクライナ東部地域の制圧は思うように進んでいない。東部ハルキウでは戦争とは無関係の遊園地を攻撃し、弾薬を消費するほか、東部ドンバス地域の入り口にあるイジュームでの進軍も止まっている。
軍の最高幹部、ゲラシモフ参謀総長もイジュームに入ったが、情報を察知したウクライナ側が司令部を攻撃。ゲラシモフ参謀総長はからくも退避したが、この攻撃で司令官を含む200人が死亡したという。こうした状況下でプーチンは戦勝記念日に何を語るのか。「めざまし8」では、今後の情勢について専門家に話を聞いた。
谷原章介「どこを目指すんでしょうか」
昨日、プーチン大統領は「私たちにはやらなければいけないことがある。ナチズムは以前大きな苦しみをもたらした。同じ過ちを繰り返してはならない」と発言している。戦勝記念日パレードのリハーサル映像も公開されたが、空には戦闘機が「Z」のフォーメーションで飛行し、地上では大きなミサイルを積んだ車両が進むほか、兵士たちも笑顔で一糸乱れぬ姿を披露する。
井上和彦(軍事ジャーナリスト)「特徴的なのは笑顔。(兵士たちは)ルックスも体格も良く、余裕のある強いロシアを見せている」
注目されるのがパレードに参加したイリューシン80やTU-160といった航空機。核戦争時に最高指揮官が機上から指揮するイリューシン80や、核ミサイルを多数搭載できるTU-160といった機体を参加させることで、核戦争に対する覚悟をアピールしているという。
中村逸郎(筑波学院大学教授)「マリウポリで勝利宣言を行いたかったができない。マリウポリはドンバス地方制圧のシンボルだったが、できないということは今回の軍事作戦が失敗なんです」
MCの谷原章介「勝利宣言できないとなると戦争宣言があるのか」
西岡孝洋・情報キャスター「戦争宣言をすることで国家総動員令発動し、大規模動員で巻き返しをはかりたいという狙いがあるが、現状388万人がロシア国外に退避している異常事態です。暗殺の不安から軍事パレードにリモート参加する可能性も報じられています」
谷原章介「プーチン大統領はどこを目指すんでしょうか」
中村逸郎「プーチン大統領は追い込まれている。もしかしたら巻き返しに戦術核のようなものを出してくるかもしれない」
古市憲寿(社会学者)「ロシアにしてみればウクライナ侵攻前より状況が悪くなっているので、停戦のモチベーションが働きにくい。アメリカも停戦を頑張る必要はない。(第二次大戦の)独ソ戦は損得を超えた戦争だったが、同じような損得を超えた戦争になってほしくない」
橋下徹(弁護士)「ウクライナ側にはロシアの核兵器や化学兵器に対抗する抑止力がない。大激論をしなければいけないが、日本も相手方が攻撃をためらうような強い抑止力を備えなければいけない。一方で政治でまとめることをしないと一般市民が被害を被ってくる」
中村逸郎「NATO諸国も黙っていられないところまできていて、NATO軍も腹をくくってウクライナに入る準備ができている。なんとか停戦交渉に入っていかなければいけないところまできている」
(みっちゃん)