知床観光船事故 橋下徹「国交省が引き上げるべき」

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   北海道知床半島で4月23日(2022年)に発生した遊覧船KAZU I(カズワン)の遭難事故。水中カメラによる捜索の結果、カシュニの滝付近の沖合で船体が発見されたが、現場の水深は約120メートルで、潜水での作業は困難。5月2日の「めざまし8」では今後の見通しについて専門家に話を聞いたが、船体の引き上げには技術面、費用面で高いハードルがあるという。

   沈没船の引き上げに詳しい信太商店の信太裕介社長は「岩礁に囲まれてワイヤが入らないとか、海がしけっていてこの時期はできないとかで時間がかかる可能性がある」と語る。

  • 「KAZU I」 運行会社・知床遊覧船のウェブサイトより
    「KAZU I」 運行会社・知床遊覧船のウェブサイトより
  • 「KAZU I」 運行会社・知床遊覧船のウェブサイトより

「最低でも1億円」指摘

   船体の引き上げ作業について、国交省は「事故を起こした運行会社が主導して進めていくべき」としている。知床遊覧船の桂田社長は「保険会社やサルベージ会社に相談や問い合わせを行っている」とコメントしているが、クレーン船を用いた場合、1日約300万円のレンタル料、燃料代のほか、移動費や待機費、作業費など最低でも1億円の費用がかかる。船を引き上げるには船体にワイヤなどを取り付ける必要があるが、通常の潜水作業は深さが60メートルまで。水深120メートルでは水中ドローンによる遠隔操作や、潜水士が深海の水圧に慣らす飽和潜水といった方法が必要になる。

   斎藤秀俊(水難学会会長)「飽和潜水は工事の場合よく取られている手法だが、海難事故だと特殊。民間業者も少なく、作業できる人はかなり限られている」

   MCの谷原章介「難易度はいかがでしょう。引き上げは行われるんでしょうか」

   斎藤秀俊「注目が集まっているので、関係者はなにがなんでも引き上げるつもりだと思う。一方、海流が複雑で視程も悪く難易度は高い」

   そもそも運行会社に引き上げ義務はあるのか。松村房弘弁護士によると、今回は深さと燃料などの影響を考えると、引き揚げ義務はないのではないかという。

   谷原章介「責任問題以前に、一刻も早く見つけてあげることが必要」

   橋下徹(弁護士)「国交省は自分たちの責任を感じていないのか。2016年の貸切バス事故後、バスの安全対策は強化されたが、船の安全対策は強化できなかった。行政の責任だと思う。(KAZU Iの船体は)これからの対策をどうするか考える重要な証拠資料なので、国交省が引き上げるべき。安全対策を調査するという意味で、国会議員も金を出しなさいよ。補正予算も2.7兆円あるのになんでこのお金を出さないのか」

   谷原章介「再発防止、規制強化を行うには原因調査が必要。引き上げは国が主体でやってもらって、運営会社に代理弁済を求める方法もある」

(みっちゃん)

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