NHK朝ドラ「ちむどんどん」4月26日(2022年)放送回で気になった場面は、歌子(上白石萌歌)の音楽室での出来事だ。(ネタバレあり)
「音楽は魂の叫び」
沖縄返還協定が結ばれる1971年。比嘉家では、就職もせず地域で評判のよくない長男・賢秀(竜星涼)が、ちょっとしたいざこざから起こした喧嘩の相手が暢子(黒島結菜)の就職先の社長の息子だった。就職活動中の暢子に思わぬ悪影響が起きてしまう。
妹・歌子(上白石萌歌)は、豆腐屋の智(前田公輝)の前では、豆腐をもりもり食べて元気そうで楽しそうなのだが、学校では内気のあまり自分の気持ちを素直に打ち明けることもできずにいた。歌子はそんな自分をもどかしく思っていた。
そんなある日、歌子は学校の誰もいない音楽室へと入っていく。グランドピアノに座って音を出してみると、音の響きに感動している様子。父から三線を教わっていた歌子が音楽に興味を持つのは当然といえばそうだが、他の楽器に触れてみて、ワクワクする気持ちは初めてだったのかもしれない。
そこへクラスメイトが入ってきてピアノの練習を始める。ただ眺めている歌子だったが、心躍る気分だったのだろう。このクラスメイトに何か楽器を弾けるかと聞かれて、「三線」と答えた歌子。このまま打ち解け合って友達になれますようになんて観ていると、さらにその様子を音楽室の扉から見つめている人がいた。
下地響子先生(片桐はいり)である。「音楽好き?」と聞かれてうなずく歌子はもじもじして恥ずかしさのあまり教室から出ていこうとしたその時、その人はズンズンと歌子に迫り「音楽は魂の叫び」と言い放った。想わず拍手と一緒に噴き出してしまった。いやいや片桐はいりさんの惹きつけ方ったら時を止めるほどの破壊力である。「片桐はいりさん相変わらずの怪演ですね」「今までのもやもやをすっ飛ばす片桐はいり」などとツイッターでも関心を集めていた。
喧嘩ばかりしている賢秀、就職が決まらない暢子、そのために母・優子(仲間由紀恵)の頭を悩ますことが多く、なんだか将来に暗雲が漂いはじめていたが、下地響子先生の登場でパっと明るくなり、なんだかイイことが起こりそうだ。
(Y・U)