「世界最高齢。福岡の田中カ子(かね)さんが、亡くなりました」。キャスターの安住紳一郎が26日(2022年4月)の「THE TIME,」で伝えた。番組はこのほか、出産一時金引き上げをめぐる動きや、コロナワクチンの世代間格差、と、世代を縦断する3 つの話題を取り上げた。
田中さんは今月19日に119歳で死去した。1903(明治36)年1月2日生まれ。明治、大正、昭和、平成、令和という5つの時代を生きた。「蟹工船」で知られる作家、小林多喜二と同年の生まれだ。この年は、ライト兄弟が人類初の動力飛行に成功した。2018年には、「みなさんのおかげでね、おいしいものばかり食べて、死ぬ気がせんです」と語っていた。
3回目ワクチンの話題も
3年前には、ギネスから「存命中の世界最高齢者」として認定された。最近は、福岡市の福祉施設で暮らしていた。数か月前から、入退院を繰り返していた。
新たな国内最高齢は、大阪・柏原市の巽(たつみ)フサさん(115)となった。
番組は続けて、増加傾向にある「出産費用」の話題を取り上げた。
「出産育児一時金」は現在、子ども一人あたり原則42万円。しかし、個室料などを除く出産の基本的な費用は、全国平均で約46万円かかるとされる。こうした現状を受けて、自民党の議員連盟は、一時金を「最低でも40万円半ばまで引き上げる」ことを政府に求める提言をまとめた。医療機関が個室や特別食などかかる費用を明確にするなど「見える化」することも求めた。
選挙が近づくと、議員らから、補助金引き上げアピールが多くなる。
一方で、新型コロナウイルス感染症のワクチン3回目接種率が25日、全国で50.8%となり、ようやく半数を超えた。
65歳以上の3回目接種率は86.9%だが、20歳代は30.1%、30歳代は33.2%と相変わらず低い。松野博一官房長官は、那覇市で記者会見したなかで、「若い方についても3回目接種を受けていただくことは、重要である」と述べた。若年層でも重症化するケースがあり、後遺症の心配があることを強調した。ワクチンは当初、オミクロン株への効果が低い恐れも指摘されたが、有効性を示すデータが集まり、接種を勧める専門家が増えている。
(栄)