「今、『オリガルヒ』というプーチン大統領に近い新興財閥の富豪たちが相次いで謎の死を遂げています」と司会の羽鳥慎一。26日(2022年4月)の「モーニングショー」は、ロシアで相次いでいる富豪一家の「心中」について伝えた。
番組は2つのケースを紹介。1つ目は今月18日、銀行大手「ガスプロムバンク」元副社長のアバエフ氏がモスクワ市内にあるマンションの自宅で妻娘とともに遺体で発見された。全員銃で撃たれた痕があって、アバエフ氏の手に銃があったと伝えられている。
「(米メディアによると)2人のほかに少なくとも3人のオリガルヒが」
捜査当局の見解は一家心中だが、近隣女性は「彼と家族は殺されたのではないか。彼はお金持ちで優秀だし、人を殺せるわけがない」などと話しているそうだ。
2つ目のケースはその翌日。天然ガス大手「ノバテク社」元副会長のプロトセーニャ氏がスペインのリゾート地の別荘滞在中に妻娘とともに遺体で発見された。このケースでも、地元警察は「プロトセーニャ氏が家族を殺害後に自殺した可能性がある」と見ているという。
2人はいずれもプーチン政権の下で富を築いた「オリガルヒ」と呼ばれる富豪。一部のオリガルヒには資産凍結や取引の禁止、渡航禁止など国際的な制裁が科されているが、2人は制裁対象には含まれていなかったそうだ。
羽鳥「さらに、アメリカのメディアは『ウクライナ侵攻以降、2人のほかに少なくとも3人のオリガルヒが家族を殺した後に自殺を図って亡くなっている』と報じています」
朝日新聞論説委員の駒木明義氏は「この出来事は極めて不可解。自殺なら、両社が表に出せない資金管理に関与していたなどの事情で、制裁による大きな損失を抱えざるを得なくなった可能性もある。一方で他殺説が今後くすぶるのでは」と指摘。さらにこう話した。
「ロシアではこういうことが多くあって、例えば、政府のコロナ対策を批判した医者や『治療できない』と言った医者が相次いで転落死をしました。また、ナワリヌイというプーチン政権の批判者の毒殺未遂、そして彼を最初に診た医者は心臓発作で亡くなった。政権の関与する色々な問題が起きると、その周辺で不可解な死があるというのも事実です」
羽鳥「オリガルヒということは、プーチンさんに近いところの人だったわけじゃないですか。それがちょっと離れていったり、批判的なところが出てきたりということも?」
駒木氏「あり得ると思います。富豪の中にはFSB(ロシア連邦保安庁)や軍の情報機関などの裏金を扱っている人もいるし、そういう意味で関係がある可能性もありますよね」
(ピノコ)