エンゼルスの大谷翔平が21日(日本時間、2022年4月)のアストロズ戦に二刀流で出場し、打者として2安打2打点、投手として6回1安打無失点、6者連続三振を含む自己最多タイの12奪三振で今季初勝利を挙げた。大谷は6回途中まで1人のランナーも出さないパーフェクトピッチングだった。
パーフェクトといえば日本のプロ野球で、千葉ロッテの佐々木朗希が10日に28年ぶりの完全試合を達成。13者連続三振を奪うなど圧巻の投球を見せた。さらに17日に試合でも、8回までをパーフェクトに抑え、17イニング無走者、52打者連続アウトの記録を更新中だ。
リリースポイントの高さも
22日の放送で司会の羽鳥慎一は「実は槙原寛己さんが28年前に完全試合を達成したとき、サードを守っていたのは長嶋一茂さんでした」と紹介し、「エラーのできない場面で緊張したのでは?」と質問。一茂は「周りは心配していたけど、僕はそうでもなかった。6回くらいから誰もベンチでしゃべらなくなり重苦しい雰囲気だった。完全試合がかかると、野手も疲れるんです。佐々木は2試合続けたので、野手は疲れただろう」とコメント。
さて、佐々木がすごいのはその奪三振で、今季4試合に登板し、93アウト中、56アウトを三振で取っている。三振率は60%と驚異的だ。
その要因の1つは160キロ台を連発するストレートの球速。17日の試合では57球投げたストレートの平均は159.7キロ。33球が160キロを超えている。ちなみに大谷の平均球速は157キロだ。
スタジオゲストの元メジャーリーガー・五十嵐亮太氏は「1球だけなら160キロを出せる投手はいる。しかし、佐々木のように100球を超えてから160キロを出すのはすごい」と絶賛。いったいなぜこれだけ三振を量産できるのか。動作解析のスペシャリストで筑波大学の川村卓准教授によると、佐々木のストレートは「驚くべき回転数だから」と言う。
川村准教授の計測では、ボールが投手の指先を離れてから捕手のミットに届くまでの回転数は、プロ野球平均で2200回転、メジャーリーグで2283回転。しかし、佐々木の場合は2450回転もある。「ボールが落ちずに伸びてくる」(川村准教授)からだという。一方、佐々木投手のもう一つの武器であるフォークボールはプロ野球平均が1400回転であるのに対して、佐々木は1150回転。「回転数が少ないのでよく落ちるんです」(同)という。
奪三振が多いのにはさらなる理由がある。佐々木投手が球を離すリリースポイントが高いのだ。角度のある球が来ると、打者はストレートとフォークを見極めにくくなるからだという。
長嶋一茂は「角度があると打つのが難しいんです。昔、『侍ジャイアンツ』というアニメで主人公の番場蛮が高くジャンプして投げる『ハイジャンプ魔球』を投げていた。僕は実際に階段の上から投げてもらって打ってみたことがあるけど、打てません」と話した。
コーナーの最後の視聴者からの質問コーナーで「佐々木投手は将来、何キロまで投げられるか?」という問いに、五十嵐氏は「170キロ」と答えていた。
佐々木投手の次回登板は24日の予定。記録はどこまで伸びるのか、注目だ。
(バルバス)