去(2021)年10月の衆院選後に、在職1日の議員にも満額の文書通信交通滞在費(文通費)100万円支給されて議論になっている問題。司会の羽鳥慎一は「国会議員に給与とは別に支払われる文通費について、4月15日の参院本会議で日割りに改める改正法が成立したことを受けて、昨日21日にその使い道の公開などについて与野党の協議が行われました」と切り出した。
21日の与野党協議では使途公開などについて結論は出ず、問題になってから半年近く経ってもまだ棚上げ状態。街の人々も「みんながやってること」「文書交通費として使っていないからだと思う」「何のための協議なのか。国会だって税金がかかっている」など、批判の声が多い。実際に、共同通信の世論調査でも「88%が使い道を公開すべき」と答えている。
「何に使ったか領収書をもらうのは当たり前のこと」
現時点で決まっている見直し内容は、名称を「調査研究広報滞在費」に変更し、その目的を「国政に関する調査研究や広報、国民との交流、滞在などの議員活動を行うため」とした。支給額は月額100万円(非課税)で変更はなかった。
棚上げにされたのは、使途公開、領収書の添付、未使用分の返納など。与野党協議ではまず、使途として認められないもののリストを作るということが決まっただけ。
与党幹部は「文通費は自由に使えるもの。秘書の給与支払いもあり、減ると困る。野党だって困るはず」、与党関係者は「返すのが嫌なのではなく作業が大変だから」。野党議員は「そもそも100万円で足りている議員はいないはず」と話した。
スポーツコメンテーターの長嶋一茂は「作業が大変という与党関係者のコメントはずれていると感じる。月100万円ということは年に1200万円。それだけで平均の3倍です。これは税で賄われているわけで、開示すべき。何に使ったか領収書をもらうのは当たり前のことで、作業が大変というのはあり得ない。何か負い目を感じるものに使っているとみられてもしょうがない」と指摘。
バイオリニストの廣津留すみれは「隠すものがないなら公開すればいいだけ。作業が大変という意味がわからない。クレジットカードと紐づけすれば明細は出るし、会計ソフトで処理も簡単になっている。なのに大変だからという理由で公開しないのは不思議としか言いようがない」と話す。
この問題について厳しい意見を言い続けているテレビ朝日の玉川徹は「民間はやっているというが、一般の公務員だってやっているし、地方議員のほとんども領収書の添付をしている。この当たり前のことをやってないのは国会議員だけです。公開を後回しにして日割りでもらうというのは、もはや『日当』です。給与を日当に変えただけのこと。ほとんどの国民が公開すべきと言っているのだから、もう一度考えるべき。我々サラリーマンは雇い主に経費の使途を見せて清算する。国会議員は雇い主である国民に示す義務はあるはずです。それをやらないのは、法を決める立場の悪用だと思う」と主張した。
(バルバス)