今の円安は「心配ない」のか 玉川徹が「ミスター円」とバトル

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   司会の羽鳥慎一が「(きのう)4月20日、外国為替市場で円安が加速しました。およそ20年ぶりに1ドル129円台を付けました」と切り出した。

   鈴木財務大臣は「円安が進んで輸入品価格が高騰している。これは『悪い円安』といえるのではないか」と発言。黒田東彦日銀総裁も「過度に急激な円安はマイナスに作用することも考慮する必要がある」と衆院の委員会で話した。事実、円安による物価の上昇は家計を直撃しており、東京・練馬区のスーパー「アキダイ」の秋葉弘道代表は「30年この業界にいるけどこれだけ大きい値上げ幅は初めて」と話す。アキダイでは、例えばカリフォルニア産グレープフルーツは198円が298円、米国産牛バラ肉は2割程度値上げとなった。

  • 円安めぐり論議
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「経済力の反映」の有無は...

   羽鳥は「3月には1ドル115円だったものが1カ月でおよそ15円上がり、20日には一時129円台をつけました」と言い、「かつて1995年に為替介入で円高を、97年には円安を是正した『ミスター円』、元大蔵省財務官の榊原英資さんにお越しいただきました」と紹介。

   榊原氏は「現在の円安は日米の金融政策の差が理由です。日本経済が弱くなっての円売りではないから、大きく懸念する必要はないと私は思う」と話す。

   事実、米国はインフレ対策で金利を0.25%引き上げたが、日本は金利を上げない方針。10年国債年利回りは、米国2.94%に対して日本0.25%となっており、その金利差により円売りドル買いが加速した。

   同じくゲストコメンテーターの経済評論家・加谷珪一氏も「円安の要因は日米の金利差が大きい。ただ、金利差があったのは今だけじゃない。昔の日本は輸出が好調で、得たドルを円に換える必要があり、それが円買い要因になった。しかし今は輸出が低調で円買いの要因が少なくなっているという面もあり、円安が進みやすくなっている」と補足した。

   円安による食品の値上げラッシュについて、羽鳥が「105社の企業で6000品目に及んでいます。加工食品、調味料、酒類、菓子類など、平均して10~20%値上がりしている」と言い、第一生命経済研究所の永濱利廣首席エコノミストは「試算では、1円の円安になると年間で4万円、10円なら40万円、支出は増える計算」と指摘。

   加谷氏は「食品やエネルギーは原材料費が高いので利益を上げにくく、真っ先に値上げになる。これからは原材料費が低い商品にもシフトして、ジワジワと上昇していくと考えられる」と話す。

   榊原氏は「マーケットでは今年末から来年にかけて1ドル150円弱まで進むと予測しているが、心配ないと思う。来年には黒田総裁が退任しており、利上げが行われると言われており、円安は長くは続かない」と指摘した。

   社会活動家の石山アンジュが「コロナで収入が不安定な人もいる中での物価上昇は影響が大きい。米国はウィズコロナ政策でコロナ前に戻っているが、日本のウィズコロナ政策はスローペース。その影響はどのくらいあるのか」と質問すると、加谷氏は「米国はこの20~30年好景気で、一方の日本は不景気。この経済的な体力差があるなかでコロナが来て、差が生じている」と説明。

   テレビ朝日の玉川徹が「金利の差は大きいだろうが、今日の円安が日本の経済力を反映しているのではないかと気にしている。2000年比で英米のGDPは2倍に、独仏は1.5倍になっているのに、日本は成長していない。通貨が経済力を反映しているとしたら困ったこと」と懸念を示すと、榊原氏が反論。

「それは違う。今の円安は金融政策の差です。今後についても、日本は成熟段階に至った国で、弱くなっているとは思わない」

   玉川はさらに「95年頃は日本の1人当たりGDPは世界第3位、今は20位以下です」と反論すると、榊原は「それでも日本の1人当たりGDPは400万円以上で、貧しくはない」と突き放す。

   玉川はさらに「利上げをすれば防衛費が吹き飛ぶくらい国債費が増えてしまう」と不安を示すと、榊原氏は「国債費が上がるのはしょうがない。それでも問題はないと思う」と答える。玉川がまたも「財務省は大問題だと言っている」と指摘すると、榊原は「財務省と言うのは立場上、そのように言っているんです」と玉川の懸念を全否定。ただ、玉川はミスター円の意見に納得していない様子だった。

(バルバス)

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