東部ドンバス攻防の行方 元陸自識者の分析結果は?(モーニングショー)

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   「ゼレンスキー大統領が、東部・ドンバスの戦いが始まったとして、ロシア軍による大規模な攻撃に警戒を示しています。戦車戦になると見られています。そしてこの戦いにウクライナ軍はどう対抗していくのでしょうか」と司会の羽鳥慎一。20日(2022年4月)の「モーニングショー」は、新たな局面に入ったとされる戦況について伝えた。

  • ウクライナで戦闘が続いている
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「ロシア軍の作戦は第2段階に」

   元陸上自衛隊・東部方面総監の渡部悦和さんはこう解説する。

「今、ロシア軍の作戦は第2段階に入っている。第1段階は首都キーウを奪取する作戦だったが、ロシア軍はこれに大失敗した。その一部の部隊が第2段階である東部の2州を奪取する作戦に参加するということです。今の状況はまさに天王山。第2段階でも敗北してしまうと、プーチン大統領の戦争はまさに大失敗になってしまう。それを回復するための戦いで、ロシア軍は全力でもってやるでしょう。首都キーウやリビウにもミサイル攻撃をかけているのは、東部にウクライナ軍を集中させないという作戦だと私は見ています」

   羽鳥「現在のロシアとウクライナの戦力についてはどのような分析を?」

   渡部氏「歩兵の戦力は1対1くらいになるのではないかと。戦車で言えばマックスでみつもっても1対3くらいでロシア側が有利ということですが、攻撃と防御の戦術的原則から言えば、攻撃側は防御側の5倍は戦力が必要なので、ロシア軍の戦力は非常に少ない」

   渡部さんは、ロシアの大隊戦術グループ(BTG)の「欠陥」についても指摘。「戦車などの兵器やそれを扱う兵士の数に対し、歩兵が圧倒的に少ない。これがロシア軍がここまで苦戦している理由の1つなのではないか」と分析した。歩兵は部隊の先頭に立ち敵を偵察し、その情報をもとに後続の戦車が攻撃をするので、歩兵が少ないということは致命的な問題だということらしい。

   渡部氏はさらに、ロシア軍がメンタル面で抱える問題も指摘。「当初の首都攻勢に失敗してロシア軍は疲弊し、精神的にも負け癖がついた。残りのBTG部隊を東部に転戦させたことで、士気が下がっている」というのだ。

   ドンバスの戦いでウクライナ軍が勝利する可能性はあるのか?渡部さんは「ウクライナは絶対数で戦車の数が足りない。新しい武器で対抗するしかない」と指摘する。

   番組は、ドンバスの戦いに向けてのアメリカのウクライナへの軍事支援にも注目。アメリカは戦車戦に効果的なりゅう弾砲、自爆型ドローン、対戦車ミサイルなどの武器を追加支援しているという。

(ピノコ)

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