都内のスーパーの店先にある米国産グレープフルーツが1個で「史上最高」の298円に跳ね上がっているとリポーターが伝えた。20年ぶりと言われる「円安」の激走ぶりを、19日(2022年4月)の「THE TIME.」が特集した。
18日の外国為替市場では一時、1ドルが126円70銭台まで円が下がった。約20年ぶりの円安に歯止めがかからない。MCの安住紳一郎は午前7時過ぎ、「先ほど、ニューヨークの外国為替市場で円が下落、一時1ドル=127円台をつけました」と速報した。127円台は2002年5月以来の円安水準となった。
「THE TIME.」が詳報
東京練馬区のスーパーでは、輸入品が軒並み値上がり。ニュージーランド産のカボチャは、4分の1カットが143円で、平年の3割高。食用油は約2倍、サーモンが約1.5倍、パイナップルは約1.2倍。アボガドも1.3倍だ。50代の主婦は、「このまま、生活やっていけるかな?って不安になります」。40代の女性は、「今までは、海外物の方が、お肉とかも安かったので、そっちを手に取っていたんですが。逆にあれ?みたいなところがある」。
世田谷区のステーキハウスでは、米国や豪州産を出す。店長は、「コロナ禍、ウクライナ情勢、為替の急激な変動、と値上げせずに頑張ってきているんですけれど、限界に近いかな、と感じています」。先月まで、2000円で仕入れられる牛肉の量は5枚分だったが、現在は3.5枚分。
円安の波は、100円ショップにも。100均店を経営する専務は、「1商品あたり10%前後ちょっと値上がりしている。(赤字)ギリギリのところですね」商品の9割は中国製だ。プラスチック製品や肥料などの仕入れ価格が上昇している。値上げをせず、商品の品質も落とさないため、バスケットの表面の宣伝ステッカーを、B5サイズから5センチ四方に小型化するなどして、しのいで来た。しかし、「これ以上円安が進むと、なくなってしまう商品も出てくるでしょうし、あとは、100円から200円とか、値上げせざるを得ない商品も出てくる」。
経済アナリストの森永康平さんは、「日本はエネルギーも食料も、海外から輸入しているものが多いですから、給料は上がっていないのに、モノの値段だけ上がっていく。家計は苦しくなる」。
この円安はどこまで進むのか?「1ドル130円が一つの節目になるのかな」
(栄)