NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、4月17日(2022年)の放送。上総広常を演じる佐藤浩市さんの演技にひと際注目が集まった回だった。(ネタバレあり)
木曽義仲(青木崇高)が後白河法皇(西田敏行)を捕らえて京に籠もりはじめたその一方で鎌倉では都ばかりに目を向ける源頼朝(大泉洋)の失脚を企み、御家人たちが謀反を計画していた。そんな中、義時(小栗旬)が上総広常(佐藤浩市)の協力を得て奔走し、ようやく謀反は沈静した。
「最高オブ最高」の声も
ところが再び謀反のないよう首謀者を殺すことで、御家人に見せしめる必要があるという頼朝。まさかの上総広常がロックオンされたのがわかると背筋に冷たいものが走った。義時の悔し涙までは落ち着いて観ることができたが、その後、善児が登場して「ギャー善児だ!」と思ったら、梶原景時(中村獅童)の冷徹な刀でバッサリ切られてしまった。
この場面で佐藤浩市さんがみせた演技は圧巻だった。自分の刀が奪われて手元にないことに気付いたショックの表情のあと、頼朝の一喝でフリーズする義時を見てさらに絶望する。すべて仕組まれており、裏切られたと気付きつつ、最後は頼朝のために死ぬのだと覚悟を決めたかのような表情を浮かべ――こうした心配りのいき届いた名演に感動した。ツイッターなどでも「一連の演技が最高オブ最高だった上総介殿素晴らしかった」「佐藤浩市さんでなければ出来ない演技と言える印象的なシーンでした」といった反応が相次いでいた。
その後、「明神様のための田圃を作る、社も作る、流鏑馬を幾度もやる、これすべて鎌倉殿の大願成就と東国の泰平の為」という上総が書いた実直な文書が出て来て頼朝はすっかり悪者に。「上総介ぇぇ...めっちゃ好きだったのに、しかも手紙のところでああ!どんどん頼朝嫌いになっちゃう」「上総介退場と合わせて泰時の誕生描くの、ホント鬼脚本...」という視聴者の声も。義時の初子が「ブエイ~ブエイ~」と泣いていた。これも脚本上の三谷作戦だな。
(Y・U)