20年ぶりに円安が進んでいる。ドルに対する円の値段のことだ。きのう13日(2022年4月)午後、一時1ドル126円台となった。今年2月には110円台半ばだったのだ。これがどう影響するのかを14日の「スッキリ」が取り上げた。
「家計に打撃があるかもしれません」(森圭介)、「ウクライナ情勢で物価上昇のときに円安が追い打ちをかけそうです」(岩田絵里奈)とアナウンサー2人がやや不安げに切り出す。インフレ対策を急いで金利を上げる米国と、景気の現状から低金利政策を続ける日本との金利差が広がって、ドルが上がり、円が下がる。その円安が輸入品の値を押し上げる。
実際に、ステーキ店では「今までに考えられないぐらいの幅でオーストラリアの牛肉が値上がりしています」、ワイン専門店は「ほぼすべての商品の原価が上がりました」と話す。海外での製造品が多い100円ショップでは販売を取りやめる品も出始めた。経済界からは「悪い円安だ」の声が噴出する。
個人資産の防衛策は?
コメンテーターの坂口孝則(経営コンサルタント)が「そうでなくても原油価格が上がっているときに、輸入原材料が高くなってしまう。企業に影響するから、給料も上がらない」と解説した。
司会の加藤浩次「値上げできない企業もある。給料が上がらないし、中には減ることもある」
一般家庭では輸入食品、海外ブランド品、ガソリンや灯油が値上がりする。国産品も、たとえば牛肉は、トウモロコシなどの飼料の大半が輸入品。魚はといえば、輸送の燃料代が上がった分の値上げにつながりかねない。
モーリー・ロバートソン(ジャーナリスト)「世界とつながった経済が、ここまで敏感でもろいとは、もろ刃の剣ですよ。私たちの日常が海外の安い労働力や資源に依存しているともいえる。繁栄がやばいものにのっかっているという自覚は必要です」
坂口「何らかの家計にやさしい政策が必要で、(個人資産も)円だけでなく、海外通貨建ての株などで持つしか防衛策はない」
エネルギー価格高騰に円安のダブルパンチという現状なのだ。
(あっちゃん)