ウクライナ侵略をきっかけに、外資系企業のロシアからの撤退が相次ぐなかで、閉店したはずの丸亀製麺のモスクワ市内の7店舗が、看板を変えて中身はまったく同じ形態で営業を再開していることがわかった。マクドナルド関連の似たような動きも合わせ、その実態を12日(2022年4月)の「THE TIME,」が伝えた。
「合意内容と齟齬があるため、状況の是正を交渉中」
丸亀製麺を展開する日本のトリドールは3月31日に全7店舗の閉店を決めた。しかし、モスクワの利用客は「店名以外は何も変わっていません」「味、値段、快適さが大事で、名前は重要ではありません」。4月10日に撮影された店舗では、外の看板は「MAPY(マル)」という名前に変わっていた。ただ、店内にある富士山の写真の「マル」の名前は、後からシールを張られたように見える。トッピング用の天かすや刻みネギ、うどんを配ったり、料金を精算するカウンターなどのスタイルも日本の店のままだ。店内の宣伝ビデオや皿に入った名前も「丸亀製麺」のまま。
「丸亀製麺」は2013年にロシアの1号店が開業した。16年に世耕弘成経産相(当時)が訪問した時に、店の担当者は「うどんのスープ関係は全部日本から取り寄せています。日本の品質はかなり高く、ロシアでは同じ品質の生産はまだできないです」と話していた。
トリドールは、「名称および類似サービスを継続することは、弊社として認めたものではありません」。モスクワの7店舗はフランチャイズの営業で、トリドールは3月上旬、ロシアの運営側とは「全店舗閉店」で合意していた。「丸亀製麺」のサービスなどを「無断で使用」しているのか。トリドールは、「合意内容と齟齬があるため、状況の是正を交渉中」とする。
このほかにもロシア国内には、「おかしな店が続々と登場している」と番組は、恒例の「6655人に調査!けさの気になるトップ10」の第4位で紹介した。
ロシア国内のマクドナルドは、3月13日の営業最終日を迎えたが、その後、「UD」(Under Donald's)とそっくりなロゴが入ったドリンクに、味も似たハンバーガーを食べることができる店が再開した。ホームページには「マクドナルドの代わり」との表題があり、チキンバーガーやダブルチーズバーガーなど、「見たことがあるような」メニューがずらり。このなかで、マグドナルドで働いていた従業員を募集していた。ただ、左上には、ロシア軍支持のシンボルともなっている「Z」の文字がある。ブランド「Z」の下で、団結することを提案している。
(栄)