「ウクライナ国防省が、首都キーウ近郊のブチャで戦争犯罪に直接関与したとするロシア軍兵士の名簿を公開しました。1600名以上の氏名や生年月日などがホームページに掲載されているということです」と司会の羽鳥慎一。6日(2022年4月)は、ロシア軍によるウクライナでの「民間人虐殺」について伝えた。
羽鳥は、アメリカのサリバン大統領補佐官の言葉も紹介。「ブチャでの民間人被害は偶然の事故や特定の個人による勝手な行動ではなく、(ロシア軍の)計画の一部だったと考えている」というものだ。
「なんのためにこんな残虐な行為を」
一方のロシア側は、「ロシア軍を誹謗中傷するためのフェイクニュース」(ペスコフ報道官)、「ブチャの遺体は先月30日にロシア軍が完全撤退した後に路上に置かれた」(ロシア国防相)など「民間人虐殺」について否定しているというが、複数の海外メディアがこうしたロシア側の主張を覆す衛星写真などの検証を伝えている。
ロシア政治に詳しい慶應義塾大学の廣瀬陽子教授は「このような虐殺がロシア軍によって行われたというのはまず、間違いない。もちろん、組織的にやられた部分もあるでしょうし、また撤退の時に恐怖によって、混乱で行われた部分もあると思います。ジョージア戦争の時などにも行われていますので、前例もあるわけです」と指摘する。
テレビ朝日のコメンテーター、玉川徹は「なんのためにこんな残虐な行為をする必要があるんだ。世界中から非難されるに決まっているのに、こっそりではなく撤退する場所に遺体を残している。それが計画の一部だとしたら、一体それはなんの計画なのか」と疑問を口にした。
廣瀬教授はこの疑問にこう答えた。
「意図は分かりかねるのですが、おそらく隠そうとはしている。教会などに大量の遺体が葬られていたという話も聞きますし、あちこちで遺体がまとめられ、生焼けの状態で発見されていると。おそらく、証拠隠滅のために焼こうとしたけれど、焼き切れずに残ってしまっているのだと思います。隠そうとしているということは、逆に言うと悪いと思っているわけで。そういうことを組織的に行っているのは非常に許しがたい行為です」
玉川「民間人がいっぱい死ぬことによって戦意を喪失させる目的ですか?」 廣瀬教授「そうですね。あともう1つ言われているのは、ロシア側は今行われている残虐な行為が世界に知られることを恐れていると。ロシア軍がやっていることを見た住民を殺しているとも言われています」
(ピノコ)