今週(2022年3月28日~)のワイドショーは、米アカデミー賞で濱口竜介監督(43)の「ドライブ・マイ・カー」が国際長編映画賞を受賞した話題で盛り上がりました。2009年の滝田洋二郎監督作「おくりびと」以来、13年ぶりの快挙です。
ウィル・スミスの平手打ち騒動も
(J-CAST)テレビウォッチ・ワイドショー通信簿の「『濱口竜介』検索する人続出 異例の経歴に安住アナ『無敵のキャリアですね』」(29日、TBS系「THE TIME,」)は、濱口監督がどんな人物かについて「東京大学文学部卒業後、東京藝術大学大学院に入学という異色の経歴」「2015年の映画『ハッピーアワー』はなんと5時間17分の作品」などと紹介していました。
また、同じ日の「THE TIME,」で取り上げた「『ドライブ・マイ・カー』濱口竜介監督 スピルバーグからかけられた言葉とは」は、濱口監督がスピルバーグ監督にエレベーターで会った時、「(賞は)その映画にふさわしいものだ」と言われたと伝えています。
原作の村上春樹さんの短編小説では、乗っている車が「黄色のSAAB900」となっていますが、映画では車の色が「赤」でした。この違いについて番組では、車を探した整備工場に取材。映画のシーンに欠かせないカセットテープのプレーヤーがついた車は、赤のサーブしかなかった、という裏話を紹介していました。
しかし受賞の喜びは、ウィル・スミスの平手打ち騒動にさらわれてしまったように思えます。
「ウィル・スミス平手打ち問題 谷原章介、『一番大事な抵抗』方法を指摘」(29日、フジテレビ系「めざまし8」)や、「ウィル・スミスの平手打ち 高橋真麻『理性があったからグーでなくて、パーで』」(29日、日テレ系「スッキリ」)などで、何が起きたのか詳しく紹介しています。
確かに、式典のステージ上で、いきなり平手打ちをしたのは前代未聞のニュース。暴力と、そのきっかけとなった容姿への侮辱との両面で、双方が非難されるべきだと思います。華やかに見える米国アカデミー賞に潜む、「意識」のレベルを示してくれた出来事でした。
(コムギ)