消えた2万人市民 マリウポリのメディア関係者が語った実態(スッキリ)

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   「南東部の都市・マリウポリにはロシア軍の攻撃がまだ続いていますが、ウクライナ側は、2万人の市民が強制的に連行されたとしています。一方、ロシアの国営テレビは『安全のために避難させた』として、これはあくまでも人道支援の一環だと伝えているんです。ロシア側の狙いはいったい何なのかを取材しました」と森圭介アナ。1日(2022年4月)の「スッキリ」は、ライフラインが途絶えほぼ壊滅状態になっているマリウポリの今をリポートした。

   地元テレビ局を経営するニコライさんは「スッキリ」の取材にこう語った。

「シベリア抑留」との関係

「ロシアは誰も強制連行はしていないです。強制しなくてもいいからです。この1カ月でマリウポリの人たちは自暴自棄になってしまったんですよ。ロシア軍がきて食べ物をあげたり子どもにチョコをあげたりしている。そしてバスを指して『ここで起きることから助けてあげるよ』と。やはり誰でも自分の命を守りたいから、どんな誘惑にでものってしまう。これは嘘で作られた助けの方法です。自分でこの最悪の状態を作ってから助ける振りをするのは偽善です」

   ウクライナ外務省によるとパスポートや身分証は没収。また、国防省によれば、ロシア側は「連行」した人びとの移住先として極東のサハリンなどを提示しているという。

   ロシア政治に詳しい筑波学院大学の中村逸郎教授は「ロシア政府の狙いは労働力不足を補うこと」と分析。「サハリンというのは主要産業のない、不毛の地と言っていいくらい非常に厳しい気候のところ。荒れた地ですが、かつてソ連時代の国営農場がまだ放置されたままになっています。農業労働者として働かせる狙いがあります」と話す。

   さらに、中村教授は、武力を行使して強制労働させるのは、ロシアの常套手段だと指摘する。

「第二次世界大戦の終結寸前、日本人60~70万人を強制移住させて働かせていた。今回も、日本人がかつてシベリア抑留にあったように、昔ながらのやり方をいまだに踏襲しているということです。彼らはもはや祖国・ウクライナに帰ることはないと思います。例えそれが許可されたとしても、彼らが住んでいた家は完全に破壊されていますので帰ることもできない」(中村教授)

   菊地幸夫弁護士「(ロシアがやっていることは)国際法に違反する可能性がかなり高い。これをやると、今後の和平のための協議が進まない大きな要因になってしまう可能性もある。強制かどうかは分かりませんが、ロシア軍による連行は非常に非難されるべきことです」

   司会の加藤浩次「確かに、『我々は強制連行なんかしていない。危ないところから避難させたんですよ』って理論になってしまう」

(ピノコ)

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