東京都が独自のPCR検査を実施した結果を3月31日(2022年)に発表。21日までの1週間でオミクロン株の別系統「BA.2」が疑われる件数が52.3%と半数を超えた。感染再拡大の懸念がある中で、思わぬところに影響が出た。4月1日の「THE TIME,」が注目した。
全国高等学校選抜ラグビー大会だ。大会期間中にも選手が新型コロナに感染するなど出場辞退が相次いだが、東福岡高校と報徳学園で行われるはずだった決勝戦の前日3月30日の夜11時半、突然中止が決まった。大会実行委員会が「東福岡高等学校が決勝戦辞退となりましたので決勝戦は中止とし、報徳学園の不戦勝による優勝とする」と発表したのだ。
コロナ感染の影響で本戦は中止も練習試合
東福岡が1回戦で対戦したチームに新型コロナの陽性者が出たことが29日に確認され、東福岡は出場辞退を余儀なくされてしまった。すぐに動いたのが東福岡ラグビー部の藤田雄一郎監督だった。「選手たちに試合をさせてあげたい」と、報徳学園との練習試合を計画していると翌朝、選手たちに伝えたのだ。
藤田監督は「選手たちはまた顔をあげてくれて。そういう顔を見ると僕たち大人がこの場を提供することは大事だと思った」と話す。
東福岡の選手が急遽行ったPCR検査は全員陰性で、報徳学園も練習試合を了承。あと必要なのは会場やレフリーだ。藤田監督が相談したのは『笑わない男』稲垣啓太を擁する埼玉パナソニックワイルドナイツだった。ワイルドナイツはすぐに自チームの練習場の提供を許諾し、3月31日11時に「幻の決勝戦」が実現した。
東福岡の選手は「自分たちのプレーを見てもらう場所を設けてもらったのは本当にうれしくてなんとも言えない心境でした」と、試合ができることを喜んだ。結果は37対10で東福岡が勝利した。試合終了後、両チームは冬の花園での再戦を誓った。
司会の香川照之は「こんな粋な計らいがあるんですね。本当に試合ができてよかったです。ありがとうございます」とコメントした。
(バルバス)