4月から商品・サービスが次々と値上がりする。これは、給料は上がらないのに物価だけ上がる最悪のインフレーションの始まりではないか――けさ30日(2022年3月)の「モーニングショー」は、経済と生活の先行き不安を取り上げた。
どんなものが値上がりするのか。「パン」「電気・ガス」「トマトケチャップ」「ドレッシング」「チーズなど乳製品」「スナック菓子」「紙おむつ」「ティッシュ」「スターバックス」「首都高通行料金」......。アシスタントの斎藤ちはるアナは「2人以上の世帯で家計負担は年間6万3870円増加すると見られています」と伝える。
浜田敬子「この9年間の経済政策のつけ」
なぜ値上げラッシュが起こっているのか。経済評論家の加谷珪一氏によると、去年暮れからの原油・原材料の値上がりに、急激な円安が拍車をかけているためという。原油高などは新型コロナとウクライナ情勢が原因、円安は金利を上げられない日本経済の行き詰まりが原因だ。
約1000兆円といわれる世界一の借金国ニッポンは、金利を上げるとその利払いで財政がいよいよ逼迫する。10年物国債の利回りはアメリカ2・43%に対し、日本0・25%なので、円を売ってドルを買う動きが加速しているのだ。売られれば円の価値は下がる。
浜田敬子(「AERA」元編集長)「みんな気付いてきていると思いますが、この9年間の経済政策のツケが回ってきているんじゃないですかね。円安政策は輸出企業にはプラスでも、私たちにとっては輸入品が高くなったりしています。こんな状態がいつまで続くんですかねえ」
玉川徹(テレビ朝日)「悪い循環にもう入っているんじゃないかなあ。円安対策として金利を1%上げると、国債費(利払い)が3・7兆円増え、2%だと7・5兆円増だそうです。これって防衛費が吹っ飛ぶ額ですよ。しかし、金利を上げられないと円安が進み、コストプッシュ型という悪いインフレになります。給料は上がらず、20%のインフレだったら収入が20%減るのと一緒ですからね。キツイですよ」
司会の羽鳥慎一は「ウクライナ情勢による小麦などの値上がりは、まだこの秋からですからね。パンはいくらになるのでしょう」と声を落とした。
(カズキ)