米バイデン大統領は26日(2022年3月)にポーランドを訪問、首都ワルシャワでウクライナのクレバ外相、レズニコフ国防相らと防衛協力に向けた支援や、経済的ニーズを満たすための支援について会談を行った。
同日、バイデン大統領は「プーチンの侵略はロシアを19世紀に逆戻りさせている。この戦いは数日や数カ月で勝利をえられるものではない。これからの長い戦いに備える必要がある」と演説。さらに「この男(プーチン大統領)は権力の座にとどまるべきではない」と強い言葉でプーチンを非難したが、これは元々の予定原稿にはなかったもので、ホワイトハウスは「ロシアの政権転覆を意図したものではない」と釈明する騒ぎとなった。
バイデン発言めぐる動き
ロシアは、バイデン大統領のポーランド訪問に合わせるようにウクライナ西部のリビウをミサイル攻撃。防衛関連施設などが炎上し、5人が負傷した。リビウの市長は「現在ポーランドに来ているバイデン大統領への『あいさつ』として行われた」という見方を示した。
28日の「モーニングショー」ではバイデン大統領の演説やロシア側の動きについて詳しく解説した。
高橋杉雄(防衛省防衛研究所)「リビウに対する攻撃だが、大きな動きがあったときには必ずあの周辺に攻撃をしている。ロシアなりの警告、シグナルを送ってきた。体制転覆は英語で『レジュームチェンジ』というが、これはイラク戦争の前に使われた言葉で悪いイメージがある。そうではないということで火消しに走った。裏返せば『プーチンが大統領である限り戦争は終わらないだろう』という見通しをバイデンなりの言葉でしゃべったのだと思う」
石原良純(気象予報士・タレント)「ウクライナ側の高官が移動できるということが驚き。バイデン大統領の発言にも驚いた。ポーランドも自国の脅威のなかで、生き残るための外交なんだろうなと思う。テレビに出て断片的に論評する僕らも情報戦の渦中にいる」
高橋杉雄「ポーランドは単に次というだけではなく、ウクライナに対する兵站、軍事援助の拠点になっているので攻撃されてもおかしくないという危機感がある。この危機感を踏まえて、バイデン大統領はポーランドを守ると発言した」
山口真由(信州大学特任教授)「バイデン大統領はこの手の失言が多いような気がする」
高橋杉雄「失言多いのは本当だが、絶妙に乗り越えていない。わかった上でギリギリのところにいるのか」
玉川徹(テレビ朝日)「バイデン大統領は一貫して自由と民主主義といっているが、これはアメリカの価値観で権威主義のロシアからみると違う。一方で結果として自由と民主主義の国が豊かになっている。旧東欧の国は豊かな方を選んで西側にどんどん入っている。権威主義の国としては許せないと言う論理。ただ、アメリカの価値観は全ての国で通用するわけではない。中国が豊かになれば自由と民主主義の国になると思っていたが、結局ならなかった」
(みっちゃん)