「日本に尊敬の念がこもっている」 ゼレンスキー大統領演説を聞いた避難家族の印象(THE TIME,)

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   きのう23日(2022年3月)午後6時、ウクライナのゼレンスキー大統領が日本の国会でオンラインによる演説を行った。安住紳一郎アナがこのニュースに関して「この演説をメモを取りながら聞く人がいました。ウクライナから日本に避難している人たちです。母国を離れて聞く大統領の言葉はきっと胸にしみたと思います。どんな言葉に注目したのでしょうか。メモを取っていたノートをお借りしてきました」と、日本に避難している家族を紹介した。

   日本で避難生活を送っているのはキエフから来たジェラベル一家。母親のオルハさんと娘2人息子1人の4人だ。父親はウクライナに残って仕事をしているという。一家は日本で通訳をしている親戚の男性が住む、東京・中央区の1LDKのマンションで避難生活を送っている。荷物が部屋に入りきらず、玄関前に置かれている。

  • 衆議院インターネット中継サイト映像より ゼレンスキー大統領演説映像
    衆議院インターネット中継サイト映像より ゼレンスキー大統領演説映像
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安住紳一郎「大統領の言葉が身に染みたようでした」

   次女は「部屋は狭いけど受け入れてくれて感謝している」、長女は「外の景色がきれい。暖かい料理を作ってくれて最高です」と話す。少しでも日本語を覚えるように、部屋のあちこちに日本語の貼り紙がしてある。

   昨日午後6時、一家は食い入るように大統領の国会演説を見つめていた。ゼレンスキー大統領が「チェルノブイリ原発が制圧された。ロシアはこの施設も戦場に変えたのです」と話すと、母親オルハさんは「チェルノブイリを取り上げたのは偶然ではない。福島の原発事故を経験した日本にとっても近いテーマ」と語る。

   最後まで演説を聞いたオルハさんは「ゼレンスキー大統領が国内で演説しているときと違って、わかりやすい言葉で語っている。一人ひとりの心に届く説明だ」と言う。さらに「米国での演説では『ウクライナに栄光あれ』で締めくくったが、今回は『日本に栄光あれ』という言葉もつけた。他国と比べ、日本に尊敬の念がこもっている」と話した。

   一家は「日本に来れてよかった」と話すが、受け入れた親戚のニキータさんは「住む場所の申請、子供の学校の問題もある。手続きが難しく、混乱している」と話している。

   安住は、避難民は90日間の観光ビザで来日しているが、1年の在留資格が得られ、更新も可能だと説明。さらに「住民登録や仕事をすることも可能ですが、言葉の壁はあるかもしれません」と話し、オルハさんのメモから「私たちは離れているが気持ちは互いに暖かい」という部分を示し「大統領の言葉が身に染みたようでした」と話した。

   そして、ゼレンスキー大統領がアジアでは初、そして早い順番で日本で演説を行った理由について、筑波大学の中村逸郎教授の解説を紹介。「中村教授は経済支援とロシアへの制裁の継続を訴えたいということ。そしてもう1つ、原発の事故から立ち直った経験がある日本と同じ立場にあるとアピールして、原発の復興支援を日本に求めているのではないかとみているとのこと。さらにもう1つ。インドを何とか支援に回したいという思惑があり、現在日本はインドと良好な関係だという狙いもあったのではないかと指摘しています」と話した。

(バルバス)

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