ロシアのウクライナ攻撃はいよいよ無差別になっているが、情報戦も激しさを増していて、とうとうウクライナのゼレンスキー大統領のニセモノ動画や首相の成りすましまで登場している。
けさ23日(2022年3月)の「モーニングショー」が取り上げたゼレンスキー大統領のニセモノ動画は、カーキ色のTシャツ姿の上半身に大統領の顔を張り付けた合成映像で、SNSで国民にこう呼びかけている。「私の重大な決断は、あなたたちにお別れの挨拶をすることです。武器を捨てて家族の元へ戻ってください」
英国防相も巻き込んで...
自分の「辞任」表明とウクライナ軍に降伏を呼びかけるもので、大統領は直ちに「勝利まで武器を捨てるつもりはない」と否定し、偽情報に騙されないよう警戒を促した。
どうやら、成りすましに騙されてしまったらしいのはイギリスのウォレス国防相だ。17日にウクライナのシュミハリ首相を名乗る人物からテレビ電話があり、停戦交渉の状況やイギリス海軍は黒海に軍艦を派遣するかなどを質問され、いろいろと話してしまったようだ。質問に不自然な点が多く、途中で打ち切ったというが、テレビ電話会談は10分ほど続いた。
そしてきのう22日、その映像を成りすましたロシア人男性に公開されてしまったのだ。動画は国防相がウクライナの核開発を支持したともとれる内容に編集されていた。
慶應義塾大の廣瀬陽子教授は「サイバー攻撃やニセ動画は、安価で効果的ということで、ロシアではよく使われます」と指摘した。今回の情報戦では、ロシア側だけでなく、ウクライナ側のフェイク映像というのもあるのだろう。
(カズキ)