小学生柔道の全国大会廃止 金メダリスト高藤選手がスッキリに「大人が悪い...」

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   小学5,6年生が体重別に出場する柔道の全国大会が廃止されることになった。「勝利至上主義」に走る保護者の行き過ぎが目立ったためだという。小学生柔道の実態を、きょう22日(2021年3月)の「スッキリ」が伝えた。

  • 勝つことに大人がヒートアップ…
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全柔連「行き過ぎた勝利至上主義が散見される」

   日本のお家芸と言われる柔道は、昨年の東京五輪でも過去最多の金メダル9個を獲得するなど話題を呼んだ。全日本柔道連盟は先週、「全国小学生学年別柔道大会」を今年から廃止する、と発表した。同連盟のHPでは、「行き過ぎた勝利至上主義が散見される」ことを、廃止の理由にあげている。「心身の発達途上にあり事理弁別の能力が十分でない小学生が、勝利至上主義に陥ることは好ましくない」とした。

   2004年から続いていた同大会では、東京五輪60キロ級金メダリストの高藤直寿選手や、女子78キロ超級金メダリストの素根輝選手も優勝した経験がある。

   元全柔連評議員(バルセロナ五輪銀メダル)の溝口紀子さんは、「8年前からあった議論で、その当時から頭部損傷など柔道事故が増えていた」。全国大会で勝つために、リスクを伴う技を指導者も教えていたという。例えば、組み方の基本は、片方の手で襟を、もう片方で相手の袖をつかむが、両方の袖をつかんだまま技に入ると、相手は倒された時に両手を押さえられているので、受け身ができない。

   小学5年生の母親は「親もヒートアップするので、審判の先生に汚い言葉を投げる」、小学4年生の母親は、「試合中は待て、の時以外は檄を飛ばしてはいけないルールがあるけれど、待て、以外のときに指導に入る指導者もいる」。

   溝口さんは、「保護者の声が圧倒的に強い中で、(小学生が)嫌だ、とも言えない。先生は殴ってはいけない中で、保護者が殴ったり」目に余る保護者の言動が多いという。体重による「階級分け」があるが、「成長期に食べたいものを食べず、試合前にコンニャクだったり、逆に、ごはん3杯食べるとか、プロテインをガンガン飲んで、とか」「50キロ超級になると、100キロ超えの小学生がいっぱいいるんですよ。大人のエゴですね」。「過度な指導者や保護者の期待に応えなければと、燃え尽きてしまう」

   小学生の柔道人口は、2004年の4万7512人から2019年には3万3730人に減った。

   同大会で2連覇した高藤直寿選手は「大人が悪いのに子どものせいにしないでほしいです。いつか、個人戦の全国大会、復活させましょ。みんながマナーを守れるようになってから」。

   MCの加藤浩次は、「高藤選手が言っていたことが一番いいんじゃないでしょうか」

(栄)

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