ロシアでの「反戦投稿」じわり拡大 スッキリに投稿者が語った「もっと怖い」もの

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   ロシアのウクライナへの侵攻をめぐり、ロシア国内の情報統制が厳しくなるなかで、これをかいくぐった「反戦投稿」がジワリ拡大している。22日(2022年3月)の「スッキリ」が特集した。

   モスクワに住む女性デザイナー(23)は、ツイッターで「戦争反対。私のすべての価値観に反するからだ」と投稿した。

   ロシア国内では現在、例えば「フェイスブック」(現在の「メタ」)は「過激派組織」と認定され、商業活動を禁止されている。ロシア政府は今月4日、「軍に関する虚偽の情報を意図的に広めた人を最長15年の禁固刑などにする法案」を作ったばかり。ただ、今のところ、海外の回線を使ったVPNアプリを使って、情報を閲覧している国民も少なくない。

街には「プーチンは殺人者」「ウクライナ万歳」の落書きも

   女性デザイナーは言う。「一人でも一つでも多く正しい情報を発信した方が、多くの人が状況を把握するのにいいと思った」。このデザイナーは侵攻が始まった時、プーチン大統領を支援する叔母さんとケンカをした。その後、ウクライナにいる友人から、地下室で空爆から隠れていると聞いて、叔母に伝えると、「ごめんなさい。テレビで放送している通り、ロシア人がいじめられた地域を保護するためだと思っていた。キエフでの攻撃なんて信じていなかった」と言われたそうだ。

   国営テレビの生放送中に、女性スタッフが反戦メッセージを訴えた「事件」も反響を呼んだという。「勇気をもらいました。私の父は国民的なヒーローだと言っていました」。モスクワの街には、「プーチンは殺人者だ」「ウクライナ万歳」との落書きを見かけるようになった。利用者の身元を伏せる「匿名化ソフト」の利用者も、昨年11月に約1万人(昨年11月)だったのが、ウクライナ侵攻後の2月末には4万8000人に膨らんだという。

   先月に反戦デモに参加して逮捕された女性(26)は、4時間拘束され、投稿した。「私は運がよかった。今逮捕されている人たちは、厳しい取り調べを受けているようだ。だれか指導者がいるか、報酬をもらっているか、問い詰められている。(警察は)若い人は意見を持っていないと思っている」。現在は、裁判所への出廷を自宅で待っているという。

「プーチンは弱い人をいじめる連中と変わらない。自分が最強だと思っているから」「世界の多くの人々がロシア人はみな戦争を望んでいると思っている。みんなに我々の存在と反戦の気持ちを知ってほしい。みんな怖い。でも意思表示をしないことはもっと怖い」

ロバート・キャンベル(日本文学者)「特別なアプリを使っているのは、意識の高いほんの一部の人たちで、多くの人は国営テレビしか見ていない。一方で、7000人とも1万7000人ともいわれるロシア人が(戦闘で)亡くなっている。この事実が国内に行き渡って、周知されていない。自分の家族や、自分の村の人が亡くなったことを知れば、反戦機運が広がっていくと思う。ソ連時代から亡くなった兵士の家族は互助会を作って政治力を持っている」

(栄)

姉妹サイト