ロシアのウクライナ侵攻が続くなか、「ウクライナ政府が日本に、人工衛星データの提供を要請しているということです」と、きょう18日(2022年3月)の「モーニングショー」で司会の羽鳥慎一が切り出した。
ウクライナは高精度の画像を集め、ロシア軍の動向の把握に活用する狙いだという。しかし、提供すれば「軍事協力」となりかねない大変な問題だ。
日本の衛星データは世界的にも非常に高いレベルにあり、天候が悪くても地表の鮮明な情報が取得できる「合成開口レーダー」を搭載した衛星を運用していると言う。日本政府は「国家安全保障局を中心に慎重に検討、提供の可否はウクライナの情勢を見極めたうえで判断する」との構えだ。
「ロシア側からみると...」
解説した慶応大の廣瀬陽子教授によると「多方面から情報を集め、より精度の高い攻撃をピンポイントでやっていきたいのがウクライナ側の意向だ」という。
羽鳥は「日本は直接軍事的な応援はできないわけで、これをやるとロシア側からみると『そうか、(日本は)参戦してるの』との判断にならないですか」と質問。教授は「基本的になると思います」ときっぱり。
長嶋一茂(スポーツキャスター)は「日本はNATOに加盟していないし、冷静な判断は大事で、難しいなと思う」といいつつ、「ただ、心情的にはウクライナの要請は聞いてあげたくなるんじゃないか」。さらに「コンピューター上でデータを送るとかなんとか、内緒でできないんですか」とも。
廣津留すみれ(ヴァイオリニスト)は「軍事的に加担するという意味じゃなくても、できることってたくさんなると思うので、そこをやるしかないと思います」と慎重だった。
玉川徹(テレビ朝日社員)は「戦争当事国に軍事支援をすることになる。そのデータをもとにロシアを攻撃するってことなので、防弾チョッキを送るのとはレベルの違う話になっていく」としつつ、「例えば、国連とかの要請でってことになれば一応名目がたつとは思う」とも語った。
廣瀬教授は「(提供した場合は)日本も軍事的に踏み込んでもウクライナを支援しているところを見せて、ロシアの孤立感を高めることにもつながる」と話していた。
日本が軍事的に踏みこむかどうか瀬戸際の問題ゆえに、もっと論議が必要だろう。(コムギ)