NHK朝ドラ「カムカムエヴリバディ」3月7日(2022年)放送回の、伴虚無蔵(松重豊さん)のセリフが注目を集めた。(ネタバレあり)
大月ひなた(川栄李奈さん)発案で、大部屋俳優の働き口ともなっている映画村のお化け屋敷が人気を博しているが、落ち武者の幽霊を演じる五十嵐文四郎(本郷奏多さん)は不満げだった。
「俺は侍でいたいんだ」ひなたの言葉を遮る
ひなたは「1秒でも長く文ちゃんと一緒にいたい。文ちゃんと暮らしたい」と告げるが、文四郎は「俺は...今はまだ、結婚できない。大部屋のままじゃだめなんだ」と返す。
ひなたは8年前の夏祭りで文四郎が言った「拙者、家禄もわずか」「されど、ついてきてくれるか?」の言葉を思い出し、
「あれは何やったん?お金がなくても仕事ががなくても私を幸せにする。そやからついてきてほしいて。私、平気やで。お金なんかなくても、仕事なんかなくても、文ちゃんといられたらそれだけで」
と想いを伝えるが、文四郎は「ひなた、わかってほしい。俺は侍でいたいんだ」と、ひなたの言葉を遮ってしまった。
お化け屋敷に力なく佇む文四郎のもとに、虚無蔵がやってくる。
「近頃道場に姿を見せぬな。鍛錬は1日怠れば1日分、3日怠れば3日分、それまで身に着けたものを失う。日々鍛錬しいつ来るともわからぬ機会に備えよ」
と言った虚無蔵に、文四郎は
「いつ来るともわからないって、永遠に来ないかもしれない。そういうことですよね?」
「もう7年ですよ?『妖術七変化』に伊織の役で出てからもう7年。いまだにあれ以上の役をもらったことがありません。ドラマやステージでただ斬られて死んだり、時代劇の扮装して道案内したり、落ち武者の格好してカップルや親子連れをキャーキャー言わせたり...こんなのいつまで続くんですか?」
「俺には理解できません。虚無蔵さんだって一度は強いライトを浴びたんじゃないですか。俺なんかよりもっと強いライトを。そこから30年近くでしょ?何で耐えられるんですか?こんな屈辱に」
とたたみかける。