ロシア軍によるウクライナ侵攻が始まって5日目となった2月28日(2022年)、ベラルーシのゴメリ州で停戦交渉が行われた。ロシア側はメディンスキー大統領補佐官、ウクライナ側はレズニコフ国防相が代表となって話し合いが行われたが、ロシア政府高官からは「ロシア側トップのメディンスキー氏は元文化相で軍事の素人。本気で停戦を考えているならありえない人選」という話もでている。
交渉では「クリミア半島でのロシアの主権承認」「ウクライナの非武装化・中立化」を要求するロシアに対し、ウクライナは「クリミア・ウクライナ東部を含む全土からのロシア軍撤退」を求めている。6時間半に及んだ停戦交渉は結論は出ず、次回はポーランドとベラルーシの国境付近で行われる見通しとなっている。
停戦交渉が始まる一方で新たな動きも
停戦交渉が始まる一方で、ウクライナのゼレンスキー大統領がEUへの即時加盟を申請するなど、新たな動きも出てきている。
これから事態がどのように展開するのか。3月1日の「モーニングショー」では、専門家をスタジオに招き、今後のウクライナ情勢について話を聞いた。
東野篤子(筑波大学准教授)「ベラルーシというウクライナにとって不利な場所での長い交渉だった。主張をぶつけ合うだけだったが、なんとか安全に終わって安心した」
司会の羽鳥慎一「双方の要求についてはどうでしょうか」
東野准教授「中立というのは、どこの軍事同盟とも属さない代わりに自分の身は自分で守ること。しかし非武装化だとそれができないので、とてものめるものではない。ウクライナ側は停戦を要求している。ちゃんとした交渉をするには戦争がない状態を作らなければいけないが、2014年の段階から守られてこなかったことが大きい。EUは加盟申請したらすぐに入れるイメージがあるかもしれないが、加盟基準を満たすのが大変で、うまくいって7年程度と非常に長い時間がかかる」
菊間千乃(弁護士)「決裂しなくてよかったが、ロシアの要求とウクライナの要求は全く相いれない。次の交渉まで何を準備してくるか。プーチン大統領はゴネてゴネて要求を通してきたが、暴走するプーチンを止めるには経済制裁、中国、国内世論、の3つくらいしかないと思う。どこから攻めていったらいいか」
東野准教授「どれも決め手にはならない。経済制裁で打撃を受けてもウクライナを取っておくと割り切っている。中国との関係も不透明。サンクトペテルブルグというプーチン大統領のお膝元でも反戦デモが起きているが、プーチンが軟化するか硬化するか今の段階ではわからない」
玉川徹(テレビ朝日)「停戦交渉は、やったがダメだったという言い訳として使われているように感じる。核の問題が気になっている。追い込まれたら軍事的に非合理なことをやるというのは過去の歴史にもある。経済制裁や自国内の反戦運動などでどこまで追い込んでいいのか」
(みっちゃん)