NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」2月27日(2022年)放送回。挙兵した源頼朝(大泉洋)に対し、怒り狂った平清盛(松平健)は追討軍を送るように命ずる。いよいよ源平合戦の激化が間近に迫っていた。一方、奥州の藤原家を出発した義経(菅田将暉)は、兄・頼朝との対面を夢見て鎌倉へと向かっていた。
前回から引き続き、義経(菅田将暉)の本格登場はセンセーショナルだった。この役者の手腕が光るような出来事が起こる。矢で仕留めたウサギの争奪戦になり、自分のウサギだと主張する見知らぬ猟師と矢の飛距離を争うことになった。
うっすら笑顔のままで、死体から矢を抜いて...
義経は、相手が先に矢を放ったことを確認した後に、敵に矢を向け至近距離で容赦なく射抜いた。こんなにも非情に人間を殺せるものなのだろうか。しかも義経の表情はずっと冷静でうっすら笑顔のままで、死体から矢を抜いて「俺の矢はこっちだった」と間違いを認めるありさま。
震え上がる恐怖を秘めた異常なキャラクターに仕立てられた義経。無邪気でピュアな反面、冷酷な一面を持つ美少年である。菅田将暉さん本人が心酔していそうでさらに怖さ倍増だ。「ヤバさむんむんの義経」「自然に競争相手射殺してて震えた...」「この人は紛れもなく戦場でしか生きられないタイプだと分かるのエグいな」など視聴者のツイッター反応も。
ウサギの奪い合いで相手を矢で射ち殺すのも啞然だが、それを間の当たりにした義経の一行は驚くわけでもなく、源氏の御曹司として手厚く見守る態度にもびっくり。やんちゃ坊主に帯同するも野蛮な義経の無茶ぶりに手が追えず、振り回されっぱなしなのでは?それに加えて、不意打ちで人を殺した後「まずは富士の山だー」って元気にすっとんで行った義経、ああこういうボスについていくのは嫌だなって弁慶の本当の声が聞こえた気がした。
義経が頼朝と合流するのは次週。どんな展開が待っているのがワクワクするような、不安なような、すごく楽しみだ。
(Y・U)