北京2022オリンピックが2月20日に閉幕しました。連日の熱戦を伝えたオリンピックの映像は、(1)国際映像、(2)日本コンソーシアム(NHKと民放各局の集合体)、(3)ユニ(NHKと各民放局)の3種類から成立しています。私たちがテレビで見ているのは、ほとんど(1)の国際映像で、これはあるチームが特別に撮っているものです。(2)の日本コンソーシアムの映像は、日本の選手達を特別に撮っているものです。(3)のユニの映像は、NHKと各民放局が個別に撮っている映像です。
様々なドラマを見せてくれた女子スピードスケート
2月17日に行われた、女子スピードスケートの1000m決勝の生中継を見ました。高木美帆選手(27歳)の映像は、ほとんどが(1)の国際映像です。
高木美帆選手は1分13秒19というオリンピック新記録で、この種目初の金メダルを獲得しました。北京オリンピック日本選手団の主将を務める彼女は、この他にも、1500m・500m・団体パシュートで3つの銀メダルを獲得しています。
高木美帆選手は、連戦で体が疲れているにも関わらず、最後の種目1000mで金メダルを獲得した時には、いい笑顔で、日の丸を背負ってウイニングランをしました。想像できないほどのハードスケジュールをこなし、日本中の期待にこたえた姿に、心からの拍手を送りました。
2月13日に行われた女子スピードスケート500m決勝の生中継を見ました。小平奈緒選手(35歳)の映像は、(1)の国際映像と(2)の日本コンソーシアムの映像です。小平奈緒選手は17位という結果に終わりました。平昌オリンピックでは日本選手団の主将を務め、500mでオリンピックレコードを出して優勝した小平選手がどうしたのだろう、と私も思いました。その理由は、ケガでした。今年の1月、大雪の日に練習に向かう途中、道路で足を滑らせ捻挫して、1週間氷から離れ、全く滑れない状況で北京に入ったことを周囲は気づかない状況だったのです。小平選手は、4度目の大舞台(バンクーバー、ソチ、平昌、北京)を前にして、痛恨の思いを抱きました。
1000mの決勝では10位に終わりましたが、ゴールした後、「挑戦に納得したかったし、悲しむ姿は見せたくなった」と、胸の前で小さく手をたたきました。それは、自分に送った拍手だったのです。
小平奈緒選手の背中を追いながら学んだ高木美帆選手、2人の素晴らしいアスリートが深い感銘を与えてくれました。
オリンピックが終わって、政治的にはいろいろな要素がからんでいましたが、やはりスポーツは素晴らしい、オリンピックはやって良かった。オリンピックは、様々な意味をふくめて、最高のスポーツの祭典だと思いました。