「妻、小学生になる。」毎田暖乃の名演技 重要な難しい回でもさく裂!

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   金曜ドラマ「妻、小学生になる。」(TBS系)。10年前、事故で妻・貴恵(石田ゆり子)を亡くし、生きる意味を失い、抜け殻状態になった新島圭介(堤真一)と娘・麻衣(蒔田彩珠)のもとに、小学生に生まれ変わった妻(毎田暖乃)が戻ってきた――。

   人気漫画が原作の荒唐無稽な設定だが、緻密な脚本・演出、俳優陣のたしかな演技でただのファンタジーに終わらせない人間ドラマ、家族再生の物語として見応えがある。

  • TBSの「妻、小学生になる。」番組サイトより
    TBSの「妻、小学生になる。」番組サイトより
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温かい家族団らんシーンに「ほっ」

   2月18日(2022年)放送の第5話は、貴恵の生まれ変わりである小学生の万理華が、母親・千嘉(吉田羊)にほんとうのことを伝える重要な回だった。

   前回、万理華に手を上げそうになった千嘉を止めた圭介。「あなたが彼女を大切にしないのなら、僕が彼女を引き取ります」と宣言。錯乱状態の千嘉は、「出て行け!」と娘を追い出す、というところで終了。

   緊迫したシーンで終了したので、今回は重く暗い内容になるのか、と思ったが、予想は裏切られ、10年ぶりの家族団らんに圭介と娘・麻衣はワクワク。一緒にゲームをしたり、3人で川の字になって寝たりと、失われた日常が戻ってきたかのようなシーンに心が和む。嬉しくてなかなか寝られない2人を、「もう1時よ、早く寝なさい」とたしなめる万理華。その姿が小学生というのもおかしい。

   翌朝、朝食を作る音で目覚めた圭介は、キッチンに立つ貴恵(こちらは石田ゆり子)の姿をみつけるが、それが万理華になっているという、入れ替わりドラマにありがちなシーンも。時々、毎田が石田に見えるシーンを入れてくるが、そんなことをしなくても、視聴者はもう毎田の中に石田を感じているので充分なのに。

   そんなふうに温かい家族団らんシーンにほっとした。そんなふうに新島家が温かければ温かいほど、ひとり残された万理華の母・千嘉の孤独ややりきれなさが伝わってくる。回想シーンをつないで、千嘉がネグレクトになった理由を自然なかたちで視聴者にわからせるところが巧い。

   「おかあさんにはひとりで泣いて欲しくない。私はかあさんの味方だから」と母に告げて学校に行く万理華、その言葉はもう万理華ではなく貴恵の言葉に聞こえる。今回も、毎田暖乃の名演技に感心した。

   気掛かりなのは、生まれ変わりをテーマにした天才中学生小説家の出雲凛音が小説を書き上げたとたん気絶したこと。

   「例え生まれ変わったとしても、それは二度目の人生なんかじゃない。まとめて一つの人生なんだ。後悔や反省を乗り越えない限り、時間は進んでも人生は進まない」という一文が万理華の行く先を暗示するように思える。最後は、凛音が気絶するのと同時に、謎の男(水川かたまり)が道路を闊歩するシーンで終わったが、この男、凛音の髪をくるんと指で巻く仕草をしていた。

   彼はいったい何者? 万理華と千嘉の関係は? ああ次回が待ち遠しい。

(子守熊)

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