ウクライナ情勢がいよいよ緊迫してきた。「ニューズウィーク」などアメリカのメディアは、「アメリカ政府関係者は『ウクライナに48時間以内にロシア軍による大規模侵攻が迫っていると警告した』と報じた。進駐は親ロシア派地域だけでなく、首都キエフにも及ぶと予想している。
ウクライナの軍事力はロシアの10分の1で装備も古いため、侵攻に対抗できないが、けさ24日(2022年2月)の「モーニングショー」は、ロシアはさらにサイバー攻撃も仕掛けるだろうと解説した。司会の羽鳥慎一は「(これまでも)電磁波やサイバー攻撃を組み合せたハイブリット戦争の新しい作戦をしています」と伝える。
「いかにロシアが突出しているか」
2014年にクリミアを併合した時は、発電所をハッキングして停電にしたり、偽ラジオ局を作ってウクライナ人は残虐だと煽るフェイクニュースを流し続けたりした。携帯電話の基地局を乗っ取ってウクライナ全土で通じなくし、偽SNSで情報操作も行ったという。
戦場でも、偵察用ドローンのGPS機能を停止させて次々と墜落させ、砲弾の電子信管を作動不能にして不発にした。ウクライナ兵に拠点が変更になったと偽の指令をメールして、集まってきたところを待ち伏せ攻撃したこともあった。慶應義塾大の廣瀬陽子教授は「今回はもっと邪悪な形ですでに展開されている可能性が高いです」と懸念する。
ロシアのサイバー攻撃の能力は極めて高く、「ネットワークに侵入してシステムダウンさせるまで、ロシアは約18分と世界最速で、2位の中国でさえ約2時間20分、北朝鮮は約4時間。いかにロシアが突出しているかということです」(羽鳥)
日本がこうしたサイバー作戦の影響を受ける可能性もあり、経済産業省は「サイバー攻撃事案の潜在的なリスクが日本においても高まっていると考えられる」として、企業にセキュリティ対策を強化するよう呼びかけた。
(カズキ)