「日本からは遠い国なので、遠い話と思っている人が多いかもしれませんが」と、きょう24日(2022年2月)の「スッキリ」で森圭介アナウンサーが切り出したのは、ウクライナ情勢のニュースだ。ウクライナの一部地域の独立を承認し、軍の派遣を指示したロシアのプーチン大統領に対し、ウクライナは日本時間のきょう午前7時、非常事態宣言を発令。これを受けてロシア外交官がウクライナからの退去を始めるなど、事態は緊迫している。
「第二次世界大戦終結以降、最大級の危機」指摘も
ウクライナ・リビウからの最新映像によると、放課後の学校の地下を利用して市民らが射撃訓練を行っており、日本テレビの宮前明雄記者が「訓練の的はプーチン大統領になっています」と伝えた。ウクライナでは18歳から60歳までの予備役の徴兵が始まり、市民の銃携帯の許可に向け、議会での手続きが進んでいるという。
番組では、ロシア政治に詳しい中村逸郎・筑波大教授に話を聞いた。プーチン大統領の狙いについて、中村教授は「(1991年の)ソ連崩壊で、プーチン大統領は大きな精神的ショックを受けた。アメリカに冷戦で負けたという悔しい気持ちがあり、NATO(北大西洋条約機構)やアメリカに対抗したいと思っている。同じ民族であるスラブ人を結束させ、ベラルーシ、ウクライナ、ロシアのスラブ連合国家をつくりたいというのが最後の野望です」と解説。さらに「ウクライナがNATOに入ってしまうのは、ロシアにとって恐怖でしかない。ウクライナをめぐる米ロの戦いは、もう軍事的解決以外の方法がだんだんなくなってきている。1945年の第二次世界大戦終結以降、最大級の危機です」との見方を示した。
モーリー・ロバートソン(国際ジャーナリスト)「日本はウクライナと似た状況にあります。もし『ウクライナがちょっと領土を渡せば済む話だろ』という世論がアメリカで主流になれば、アメリカは手を引いてロシアがなし崩し的にウクライナを実効支配することがありうる。同じように、もし今後、中国が台湾に侵攻したり尖閣諸島に旗を立てたりした場合、そのときにアメリカ国内のムードが『アメリカ人の命は関係ない話だから、日本は勝手にやって』ということになると、日本は単独で中国や北朝鮮、ロシアのような相手と向き合わなければなりません。そう考えると、これは遠い話ではありません」
(キャンディ)