房総半島で再起を図る頼朝(大泉洋)は有力な豪族を味方に付けようと必死になっていた。そして千葉常胤(岡本信人)の元へ安達盛長(野添義弘)を、上総広常(佐藤浩市)の元へ和田義盛(横田栄司)と北条義時(小栗旬)を送り込む。
上総広常は、2万の軍勢を率いる。平家からも味方になるよう要請があり、源氏と平家のどちらにつこうかと、じらすばかりでハッキリしない。戦略なのか?とハラハラしながら様子を見ていたが「自分に有利な条件は何か」と迫る目ヂカラとダンディな魅力にどんどん引き込まれていく。
統領の器でなかったならば...
演じる佐藤浩市さんの「悪そう」なのに「上品で色気たっぷり」なのは、『新選組!』の芹沢鴨役を彷彿させたが、ご本人の大河出演はあれ以来18年ぶりなのだとか。むしろ刃物のようにキレッキレでスリルある演技は以前にも増し目が離せない。「佐藤浩市の上総広常が格好良すぎて震える」などとネットでも反響が。
その後、頼朝に天運があると見抜いた上総広常は、頼朝側の味方になると決めて2万軍を連れ頼朝の面前に。隙を見ては浮気して命拾いした頼朝は、広常の到着が遅延したことを「無礼だ!帰れ!」と一喝。大物に躊躇なく怒鳴りつけた態度はあっぱれだった。広常の態度にヒヤヒヤしたが、頭を下げて謝ったので一件落着であった。大人のふるまいでよかったとホッとした。頼朝もホッとしていたけど...。
帰路につく広常は義時に向かって、頼朝が統領の器でなかったならば、その場で首を取って平家に差し出していたと語った。ということは、またもや頼朝はラッキーにも死を免れたことになる。さすが征夷大将軍になるこの人は「もってる男」なのかもしれない。
(Y・U)