北京五輪の女子カーリングで銀メダルに輝いた「ロコ・ソラーレ」(北海道北見市常呂町)は、結成から12年目の努力が実を結んだ。地元とともに歩んだ12年間を21日(2022年2月)の「スッキリ」が伝えた。
「ロコ・ソラーレ」は、10カ国総当たりの予選リーグで17日、最後のスイス戦で敗退。5勝4敗となり、「残念会見」をしているところに、準決勝進出の知らせが飛び込んで「今世紀最大のサプライズ」(鈴木夕湖選手)として決勝リーグへ。ここで、敗退したばかりのスイスを破り、英国との決勝に臨んだ経緯があった。
地域のリーグ戦に参加
「ロコ・ソラーレ」は、2010年に結成。トリノ五輪・バンクーバー五輪代表だった本橋麻里さん(当時24)が「チームの和を作るところからスタートした方が、私にとっては、人間としても選手としても成長する良いきっかけになると思い決断しました」。鈴木選手と吉田夕梨花選手は、創設当時からのメンバーだった。4年後に吉田知那美選手、5年後に中部電力にいた藤沢五月選手が加入した。当時、藤沢選手は地元の就職先を探したがいくつも断られたあげく、保険代理店を経営していた近藤充広社長が採用。2018年に平昌五輪に出場。3位決定戦で英国に辛勝、銅メダルを獲得した。近藤社長は「五輪代表になっただけでも、ボクとしてはお腹いっぱいだったんですよ」。
最近2年間は、コロナ禍のため海外遠征ができず、「久しぶりに地元のおじさま方、レジェンドたちと試合をすることができて」(藤沢選手)、地元の常呂町の人たちに支えられてきた。対外試合ができずにいたロコ・ソラーレのメンバーらに、「気晴らしにでもなれば、と声をかけて」(常呂カーリング倶楽部の鈴木繁礼・事務局長)、中学生から高齢者までが参加する地域のリーグ戦(32チームが参加)に参加。「試合勘」を失わないようにと、地域の人たちと対戦した。「まだまだ、お前らには負けないよ、という雰囲気も知ることができたりしました」(藤沢選手)
決勝で英国に敗退後、知那美選手と夕梨花選手姉妹の母親の、吉田富美江さんは「平昌五輪が終わってからの4年間はいろいろあったから、コロナもそうですけれど、やっぱりそういうのを全部乗り越えて、やっと立てた舞台ですし、すごい頑張ってくれた」。
タレントの榊原郁恵さんは、「オリンピックの競技中の選手の、ナマの声を聞くことってあまりないじゃないですか。でもカーリングは作戦も含めてリアルに聞き取れて。笑顔で競技している姿がホントに素晴らしかった」
(栄)