けさ17日(2022年2月)の「モーニングショー」は、「ドーピング問題の渦中にありますロシアのカミラ・ワリエワ選手(ROC)、番組ではスポーツ仲裁裁判所で行われた1時間半におよぶ公聴会の新たな音声を入手しました」(司会の羽鳥慎一)と、この問題に時間を割いた。
ワリエワの母親はこう供述していた。「父(ワリエワの祖父)は人工心臓のため、トリメタジジンをいつも持ち歩いていました。彼がこの薬を持って家に来て、法律専門家(弁護士)が言った通りのことが起きた可能性もあります。また、カミラは半年に1回健康診断を受けていて、心臓にわずかな異常があります。スポーツ施設の医師に処方された薬も飲んでいます」
今後、実験も?
その弁護士は「トリメタジジンを祖父がコップで飲んで、その唾液が付いたコップをカミラが使った。祖父の薬がカミラがいつも飲んでいる薬と同じところに置かれたなどの可能性が考えられる」と語っている。あくまで誤飲だったという主張だ。
しかし、「ニューヨーク・タイムズ」はワリエワの検体からは、ハイポクセンとL-カルニチンという薬物も検出されていたと報じた。ハイポクセンは疲労軽減効果、L -カルニチンは運動能力の向上や疲労回復の効能があるという。禁止薬物ではないが、トリメタジジンとの相乗効果があると見られる。
長嶋一茂(スポーツキャスター)「(L-カルニチンは)脂肪を燃焼させるサプリメントに近いもので、僕も使っています。ただ、3つの相乗効果なんていうことは、よっぽどの専門知識がないとできませんよ。周りの大人たちの組織的な、彼女の意思以外のものが働いているんだと思うな」
ROCのフィギュアスケートのチームドクターは、過去にドーピング違反で処分されたことのある医師だという。石山アンジュ(「パブリックミーツイノベーション」代表)は「(ワリエワの薬物服用も)組織ぐるみの臭いがどうしてもしてしまいます。処分歴のある医師が復帰しているんですからねえ」と呆れる。
疑惑はこのまま「ワリエワの誤飲」でウヤムヤのなってしまうのか。日本アンチドーピング規律パネル委員長の早川吉尚弁護士は、「ドーピングの陽性反応が出た時は、選手側が過失がないことを証明しなければなりません。おじいさんが使っていたコップを使ったぐらいで摂取できるのかという実験もおこなわれるでしょう。そうしたことにほころびが出て、選手側の主張は信用できないということになれば、陽性と認定されるでしょう」と説明した。
IOCは北京オリンピック中にフュギュア団体メダル授与式は行わないことを決めた。
(カズキ)